プーチンには戦争を終わらせるのに覚書や交渉は要らない=ウクライナ外務次官
ウクライナのキスリツャ外務第一次官は21日、ロシアのプーチンはウクライナに対する戦争を単独で始めたのであり、単独でそれを終わらせることができると述べ、よって平和への鍵となるのは、プーチンに対する圧力をかける上で西側諸国が団結することであって、専門家交渉を際限なく行うことではないと指摘した。
キスリツャ外務第一次官がウクルインフォルムにコメントした。
キスリツャ氏は、「私たちは専門家レベルでの果てしない対話には、特別な関心はない。ロシアは、戦争をほぼ単独で開始した独裁者のいる国である。当然、都合の良いイデオロギー的土壌と広範な大衆の支持がある中では、彼は戦争を終わらせることもできる。そのため、私たちはまた、首脳の会談が必要だとも述べている。なぜなら、この問題の複雑さと難しさは、(編集注:イスタンブル交渉でロシア代表団を率いた)メジンスキーにはそのことを話すことすら委任されていないことなのだ」と発言した。
また同氏は、ウクライナ側はロシア側から「彼らに伝達の準備ができた際に、彼らの意見を」聞く準備はあると発言した。
同氏はさらに、プーチンの報道官であるペスコフ氏によるウクライナとの覚書案をロシアが準備しているという発言に対するコメントを行わず、「ペスコフのような人物は、今日言うことと明日言うことが異なり、明後日言うことはさらに違うものだ」と指摘した。
そして同氏は、「ロシア人を相手にする時は、あなたは、『自分がどこか文明的な場所にいて、人々はあなたの主張を誠実に聞きたがっており、その分析を根拠に決定を下す』というダイナミズムで行動してはいけない。そうではないのだ。私たちは、全くもって常軌を逸した独裁者がいて、そこでは皆が忠誠心を示すために地面をかじっており(編集注:異常な熱意で行動しているの意)、皆が彼の指示を全て底無しに実行している、というダイナミズムの中にいるのだ。だから、プーチンは戦争を始めたのであり、プーチンは参謀総長への電話一本でこの戦争を終わらせられるのだ」と強調した。
同時に同氏は、現在はプーチンが意図的に引き伸ばしをしているのが明らかであり、よって今のところ交渉プロセスの継続を予想するのは難しいと指摘した。
同氏はその際、「交渉の次の段階は、そのために双方で条件が作られた際に行われる。そのため、ウクライナのパートナー国との交渉は毎日行われている。大統領、大統領府、外相は文字通り毎日、多くのパートナーたちと対話をしている。なぜなら、最大級の重要課題の1つが、私たち、特に欧州パートナーたちとの団結を確保することだからだ」と発言した。