全面戦争3周年での国連総会決議の採択はウクライナ外交の勝利=ベーツァ外務次官
ウクライナのベーツァ外務次官は26日、国連総会における全面戦争3周年に関する決議が採択されたことはウクライナ外交の勝利だと形容した。
ベーツァ外務次官がウクルインフォルムにコメントした。
ベーツァ外務次官は、2月24日に国連の諸行事の際にウクライナを代表していた人物。ベーツァ氏は、「この新しい地政学的現実の中で私たちの決議を投票するのは極めて難しかったのだが、しかし、私たちはそれを実現した。私は、それをウクライナ外交の勝利だとみなしている」と発言し、この日は国際関係と国連の歴史に残るだろうと指摘した。
なお、同日、国連では、ロシアの対ウクライナ全面戦争3周年に関連して、国連総会で2本(ウクライナ提案、米国提案+欧州修正)、国連安保理で1本(米国提案、修正なし)の計3本が採択されていた。
その中でベーツァ氏は、ウクライナにとって重要なのは世界約200か国を代表する国連総会の決議だとし、採択された決議には、ロシアのウクライナでの行動を犯罪と評価するなどの多くの重要な項目が含まれていると喚起した。また同氏は、「2つ目として、同決議は(国連)憲章の原則、国際的に認められた国境内での主権、領土一体性に関する絶対的規範、国境不可侵性、一国が他の国に対して力、あるいは力による脅迫の不行使に基づいていることだ」と指摘した。
また同氏は、決議は外交的努力を強化する必要性とロシアの責任追及の重要性が含まれていると説明した。
同氏は加えて、同日の国連総会の特別会合の前には、ウクライナの外交官は複数の協議を行ったとし、そこには約100の国の代表者が参加したと伝えた。同氏自身も、グローバルサウスの国々の代表者や国連幹部をはじめ、様々な外交官と約30の会談を行ったと述べた。
そして同氏は、「これは、単にウクライナ支持の決議ではなく、包括的で持続可能で公正な平和、また国連憲章、侵略者は責任を負わねばならないという理解への支持のものなのだ」と指摘した。
他方で同氏は、同日採択された国連安保理決議については、「国連憲章の原則に合致し、包括的で永続的で、重要な『公正である』平和の実現を促進し得るような内容は一切ない」と断じた。
同氏はまた、欧州の国々は「国連総会でも安保理でも、ウクライナ支持のユニークな団結を示した」とし、ウクライナの決議を支持し、また米国案への修正も支持したと伝えた。
そして同氏は、ウクライナとウクライナの人々を滅ぼすというロシアの目的は変わっておらず、ウクライナの目的は、自国の領土一体性が確保される平和を実現し、侵略国を侵略国と呼び、同国を罰することだと喚起した。
その上で同氏は、「当然、私たちには非常に強力な安全の保証が必要だ。信頼できる安全の保証がなければ、包括的な平和はあり得ない」と強調した。また同氏は、米国はウクライナの同盟国であり続けているとも指摘した。
これに先立ち、24日、ロシアの対ウクライナ全面侵略戦争開始から3年目に合わせて、国連総会で2本(ウクライナ案、米国案+欧州修正)、国連安保理で1本(米国案、欧州修正なし)の決議が採択されていた。