国連安保理、米国提案の1行の全面戦争3周年決議を採択
ウクルインフォルムのニューヨーク特派員が伝えた。
賛成したのは、以下10か国(米国、ロシア、中国、韓国、シエラレオネ、ガイアナ、ソマリア、パキスタン、パナマ、アルジェリア)。反対は0、棄権は5か国(英国、フランス、デンマーク、ギリシャ、スロベニア)だった。
安保理は、その際欧州諸国の提案したウクライナの領土一体性の維持の必要性やロシアを侵略国と呼ぶ内容の修正案は支持しなかった。
米国作成の決議は、以下の一文だけのもの。「総会は、ロシア・ウクライナ紛争の際に悲劇的な人々の死への悲しみを表明すると共に、国連憲章にうたわれている、国連の主要な目的が、国債の平和と安全の維持と、対立の平和的解決であることを再確認し、ウクライナとロシアの間の紛争の早期解決とその後の永続的な平和の達成を呼びかける。」
採択に際して、フランスのリヴィエラ国連常駐代表は、欧州の諸国は「国連憲章と国際法に基づき、侵略国ロシアと犠牲国ウクライナを明確に区別する平和を呼びかけている」と訴えた。
その際同氏は、「侵略者が報酬を得て、弱肉強食がまかりとおれば、平和も安全もどこにも存在しなくなる」と発言した。
英国のウッドワード常駐代表は、国連憲章、ウクライナの国際的に認められた国境内での主権と領土一体性への尊重を主張する必要があると訴えた。
その際同氏は、「この戦争がどのように、どのような条件下で終わらせるかは、ウクライナとの交渉の道においてのみ決めることが可能だ」とし、「ウクライナの同意なくしてどのような平和も強靭なものとはならない」と強調した。
米国のシー常駐代表は、「私たちは、合意を達成するのが困難なことは認識しているが、ロシアにとってもウクライナにとっても、困難な選択をして、戦闘を停止する時が来たのだ」と発言した。
同氏はまた、トランプ氏の強固な平和達成の必要性の発言を喚起した。
さらに同氏は、米国は戦争の間(その際同氏は戦争を「紛争」と呼んだ)、ウクライナ側と緊密に連絡してきたと述べた。
そして同氏は、「先週私たちはロシアとの直接対話も始めた。そして、ルビオ米国務長官がリヤドでの交渉後に述べたように、米国とロシアは紛争終結に関する交渉を行うことにコミットした」と発言した。
同意に同氏は、停戦は「長期的で、全ての関係者にとって受け入れられるものでなければならない」と指摘した。
ギリシャのヘラペトリティス常駐代表は、安保理が欧州諸国の提案した、国連憲章の重要性を指摘する内容の修正提案を支持しなかったことは理解できないと発言した。
なお、同日、米国が国連総会に提案した同じ内容の決議案は、欧州諸国が提案した修正案が加えられた上で採択された。その際米国は投票を棄権していた。
また同日、国連総会では、ウクライナの主導した決議案も採択されている。