クリミアの人々の気持ちは様々だが、人々はウクライナを待っている=ウクライナ大統領代表

ウクライナのタシェヴァ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領常駐代表は、一時的被占領下クリミアの住民の気持ちは様々だが、それでも人々はウクライナを待っていると発言した。

タシェヴァ大統領代表がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。

タシェヴァ氏は、「私たちは、クリミアで人々がウクライナを待っているのを目にしている」とし、「ロシアプロパガンダが示すような、そこに暮らす皆がロシアを支持しているというわけではないことを確実に把握している。クリミア住民には非常に強力な地域アイデンティティがあるのだ」と指摘した。

また同氏は、「私個人、クリミア住民と対話をしている。人々の気持ちは様々だ。なぜなら、クリミアにいる人々が非常に多様だからだ」と発言した。

同氏はまた、クリミアには違法な手段で少なくとも80万人のロシア国籍者がやってきており、その人々がウクライナを支持するというのは期待すべきでないと発言した。

さらに同氏は、「中立的立場のウクライナ国民もいれば、親露的な住民もいる。しかし、彼らの大半はロシアの行動に落胆している。ロシア人は、クリミアで行うと約束していたことを実行しなかった。プーチンは、投資があるとか、クリミアは非常に発展した地域に変わるとか述べていたが、それは実現しなかったのだ」と指摘した。

その他同氏は、ロシアの対ウクライナ全面侵攻以降、クリミア住民は、ロシア国民もウクライナ国民も、ウクライナが軍事行動を含めて、クリミアを巡って戦っているのを目にすることになったと述べた。そして、同氏は、ロシア占領軍の軍事施設がウクライナ軍の攻撃を頻繁に受けており「『クリミアは永遠にロシアと一緒だ』『クリミアは全て平穏だ』『私たちはクリミアを守る』といったロシアのナラティブを約10年間にわたり聞いてきた人々の間では、彼らが見せられてきたイメージと、現実が一致しなくなってきている」と発言した。

そして同氏は、「クリミアでは、2022年以降、観光は一切なく、違法な『ケルチ橋』は攻撃を受けており、ロシア軍司令部は破壊され、価格は著しく上昇し、食べ物、医薬品、燃料関連品は不足し、地元住民は動員され、死体が戻ってきている。人々は、クリミアは危険であり、生活は全く改善していないことを目にしている」と指摘した。

同時に同氏は、「私たちは、脱占領プロセス、その後の再統合プロセスは容易ではないと皆に説明している。しかし、私たちはそれに向けた準備をしているのだ」と強調した。