ロシア帝国は文明的手段で崩壊せねばならない=チェチェン亡命政府首相

チェチェン・イチケリヤ共和国(亡命政権)のアフメド・ザカエフ首相は3日、ロシア帝国は侵略戦争によって作られ、侵略戦争によって拡大してきたのであり、その崩壊は文明的な「分裂」という手段によってのみ可能だとの見方を示した。

ザカエフ首相がウクルインフォルムで開催されたラウンドテーブル「ウクライナとロシアの人々の民族運動:同行者か、同盟者か」にオンラインで参加した際に発言した。

ザカエフ氏は、何よりもまず、ロシアはウクライナで侵攻を止めることを計画していないことを理解しなければならないと発言した。

その際同氏は、「もし誰かが、ウクライナが何らかの領土で妥協して、ロシアが落ち着くことを期待しているなら、それは完全に誤った理解である。理解すべきは、現在ウクライナで起きていることは、1994年のチェチェン共和国で始まったことだということだ。もしその時チェチェンでロシアを止めていたら、その後のあらゆる紛争、今私たちが被っているあらゆる犠牲はなかったのだ。ジョージア戦争もなければ、2014年のウクライナのものも、今の大規模侵略もなかったのだ」と発言した。

その点で同氏は、ロシアは帝国として隣国や、過去に帝国に組み込まれた主体にのみ脅威をもたらしているのではないと強調した。また同氏は、ロシア国家とは侵略の国であり、戦争の中以外では存在することのできない国なのだと指摘した。

同氏は、「その悪の帝国は、侵略戦争によって作り出され、拡大してきたのであり、その世界の悪を除外するには、同国の崩壊しかなく、崩壊は文明的手段で生じなければならない。ウクライナ人と国際社会は、単にそこの人々の自決権と独立の権利を認めるべきなのだ。そうすれば、同国はウクライナにとっても国際社会全体にとっても脅威ではなくなる」との見方を示した。

これに先立ち、ウクライナ最高会議(国会)は2022年10月18日、チェチェン・イチケリア共和国をロシア連邦により一時的占領下にあると認定した上で、チェチェン民族に対するジェノサイドを非難する声明を採択している

なお、ザカエフ・イチケリヤ首相の参加する「ロシア後の自由な民族フォーラム」は、8月に東京で第7回会合を開催した。同フォーラムは、10月12〜14日にロンドンとパリで第8回会合を開催する予定