ウクライナの将来のEU加盟がEUの提供できる最も強力な安全保障=ボレル上級代表

欧州連合(EU)のボレル上級代表は2日、EUはロシア侵略に対する戦いと平和の確立において、ウクライナを支持することで決意を固めているとしつつ、ウクライナに対するEUの安全保障上の最も効果的なコミットメントとなるのは、ウクライナのEUへの将来の加盟だと発言した。

ボレルEU上級代表が同日キーウで開催されたEU外務理事会非公式会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ボレル氏は、「安全保障分野で、私たちがウクライナに提供できる最も強力なコミットメントは、EUへの加盟である。現在ウクライナは加盟候補国であり、同国はその道をさらに進んでいる」と発言した。

また同氏は、同日キーウにて外相たちは、戦争の推移、軍事的努力、国の強靭性、ロシアのハイブリッド攻撃を含む多くのことを協議したと伝えた。同時に同氏は、外相たちはウクライナ政権代表者と、将来の平和がどのようなものとなるかについても話し合ったと述べた。

同氏は、「私たちは同時に二つの方向に向かわねばならない。平和への道の模索と改革の実現、それがブリュッセルの注意を向けている方向だ。年内にEUは、私とヴァールヘイ欧州委員(欧州近隣政策・拡大交渉担当)が欧州理事会に提出する拡大パッケージに関する欧州委員会の報告を評価する」と伝えた。

その他ボレル氏は、今次戦争の和平案につき、ゼレンシキー大統領の提示している「平和の公式」のみが公正かつ持続可能な平和をもたらし得る唯一の適当な文書であり続けていると発言した。

その際同氏は、「ゼレンシキー大統領の『平和の公式』は、国際社会において協議されている唯一の和平案だ。他の案は消滅した。残った上で、国際社会の注意を集めている唯一の公式が、ゼレンシキー大統領の平和の公式なのだ。それは唯一の公式である。そして、私たちは、EUとして、それをさらにグローバルなものとし、それを将来の平和にとっての基盤へと変貌させられるようにすべく作業を続けていく」と強調した。

ロシアの戦争犯罪につき、ボレル氏は、ロシアはウクライナにおいて、民間人を殺し、民間インフラを壊し、世界の最も脆弱な国々を飢餓に晒すことで、自らの「特別作戦」の本当の顔を見せたとし、ロシアは戦争犯罪の代償を払うことになると発言した。

その際同氏は、「私は、この会合の前に、ウクライナ国民と面会して、彼らの日々の生活を知るために個人的にオデーサとキーウを訪問し、自らの目でプーチンのこの国に対する侵略の残酷で非人間的性格を見てきた。彼らは、教会を狙い、文化遺産を破壊し、飢える人々のために世界中へと食料が輸出されている港湾を砲撃している。信じられない勇敢さをもって抵抗しているウクライナの人々に対してプーチン氏が遂行しているいわゆる『特別軍事作戦』なるものの真の顔をそれら全てが非常に多く物語っている」と発言した。

続けて同氏は、ロシアは飢餓とエネルギー資源を武器に変え、自らの犯罪を世界中に撒き散らしているとし、その行為の標的となっているのはアフリカやアジアの最も脆弱な人々であるとし、ロシアはこれらの人々から食料を奪っているとし、それこそがロシアの海洋封鎖の被害であると強調した。さらに同氏は、それがEUだけでなく世界の多くの国々の立場だと伝えた。

そして同氏は、「思うに、ロシアは、国際法に違反し続け、世界秩序を壊し、世界の外交の能力を試すことで、自らの犯罪行為を継続するつもりである。それはつまり、私たちはさらに一緒に活動しなければならないということだ」と指摘した。

その他同氏は、ロシアの侵略犯罪と、子供の追放のような非人間的行為の責任追及の作業は重要だ。ロシアは、自らの侵略や、あらゆる犯罪の責任を取らねばならない。私たちは、ウクライナと緊密に協議をしながら、作業を続ける」と発言した。

なお、10月2日、キーウにて外務理事会非公式会合が開催された。

写真:ウクライナ大統領府