ウクライナやモルドバ等抜きの未来の欧州は想像できない=フォンデアライエン欧州委員長

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は3日、ウクライナ、モルドバ、西バルカン諸国抜きの欧州の未来は想像できないと発言し、他方でEUのさらなる拡大にはEU自体の機構改革が必要かもしれないとも指摘した。

フォンデアライエン氏が、欧州委員会委員団によるEU議長国スペインの首都マドリードにて、訪問総括の記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

フォンデアライエン氏は、「数年先を見て、欧州がどのように見えているかを想像してみよう。私たちは、EUがウクライナ抜き、モルドバ抜き、西バルカン抜きで想像できるだろうか? 欧州のこれらの部分がロシアなり中国なりの影響下に入っていることが想像できるだろうか? 想像できない。よって、私たちの進む方向性は明白なのだ。私たちは現在、それらの国がEUの一部となった時の欧州がどのようになるかを考え始めなければならない」と発言した。

同氏はまた、そのためには欧州の人々は、決定採択や共通予算の利用プロセスのあり方や、共通政策の方向性の形成方法、EUの力のあり方といった、原則的問題に対する答えを見つけなければならないと指摘した。そして、これらの変化はいずれも時間を要するものであり、それについてはもう今考えておかねばならないと発言した。

サンチェス・スペイン首相は、同記者会見時に、現在EUの拡大は「テーブルの上」にある状態だとし、その過程で、機構改革、共通資源、共通農業政策、地域発展、欧州委員会の機能、欧州議会における議席数についての議論が今後生じていくと指摘した。その上で同氏は、これら全ての問題が重要であり、欧州の人々は、今後4〜10年後、どのようなEUを目にしたいかという質問への答えを見つけなければならないと発言した。

さらに同氏は、「私の観点、私だけの観点では、私たちはEUのさらなる連邦化へと進むべきである。私たちはさらに共通した政策を形成し、さらに主権を共有し、私たちの社会や国が向き合う共通の挑戦への共通の答えを模索すべきである。それは戦争やその被害だけに関係することではない。私たちの社会の変容であり、デジタル変化や緊急の環境問題に関することも重要である。私たちは、どのようなEUを見たいか、という主要な質問に答えねばならない。私の見方では、より連邦化したEUであるべきだと思う」と発言した。