ウクライナ大統領府関係者、中国の「和平計画」の矛盾点を指摘

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、中国が発表したいわゆる「和平計画」は複数の矛盾点があり、バランスのとれた論理に欠けていると指摘した。

ポドリャク氏が伊コリエーレ・デラ・セラ紙へのインタビュー時に発言した

ポドリャク氏は、中国政府が発表した計画には「細部がなく、バランスの取れた論理がない」とし、ある項目では主権と領土一体性の不可侵について書かれているのに、別の項目では即時停戦が呼びかけられていることを指摘し、即時停戦は実質的に占領者による領土の一時的奪取を確定することを意味するのであり、それは主権と領土一体性の侵害であると説明した上で、「それは完全な矛盾である」と発言した。そして同氏は、「和平計画は、侵略国の利益を満たしては築けないのであり、それ(和平)はウクライナ領からのロシア軍の強制撤退から始まらねばならない」と強調した。

さらに同氏は、2022年2月24日ラインまでの撤退を中国が提案する可能性に関しては、数万人の死者が出た上に、自国領土を効果的に防衛できている中では、そのような提案は意味がないと指摘し、さらに、どのような譲歩も、どのような「現状維持」も新たなエスカレーションを招くことになるとの見方を示した。

同時に同氏は、中国はロシアに武器を供与しないだろうとし、もし供与した場合には、中国は自らの貿易関係を脅かすことになるからだと発言した。そして、同氏は、中国首脳陣はプラグマティックな考えを持っており、だから崩壊寸前の国に武器を供与することはないだろうし、また中国国内法も戦時下にある国への武器の提供を禁止していると説明した。

なお、20日、プーチン露大統領は、中国共産党機関紙「人民日報」への寄稿にて、「中国のウクライナ問題に対するバランスの取れた態度に感謝する」とコメントしていた。