ゼレンシキー宇大統領、世界に「平和の公式」の迅速な実現を呼びかけ

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ウクライナのゼレンシキー大統領は18日、文明的世界はロシアの対ウクライナ侵略を含めた、様々な挑戦により迅速に対応すべきだとし、ウクライナの提案する「平和の公式」も速やかに実現すべきだと呼びかけた。

ゼレンシキー大統領が世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「断固とした、効果的で、強力な行動への呼びかけに加えて、もう一つの呼びかけが必要だ。それは迅速さだ。文明的世界による決定と対応の迅速さである」と発言した。

同氏はまた、世界は2014年に、ロシアがクリミアを迷わず占領した際に迷っていたし、2022年に、ロシアがウクライナに対して全面的戦争を始めた時にもすぐに対応しなかったと指摘した。同氏は、「世界は決して迷ってはいけない。悪が復讐を模索している時間、世界は団結さと迅速さを必要としているのだ」と強調した。

その上で同氏は、自身が提案している10項目からなる「平和の公式」の迅速な実現を呼びかけた。

同氏は、「ウクライナは世界に『平和の公式』を提案している。それは、世界が、ロシアが行動を取るより早く実現すべき、10項目からなる。世界の動員は、私たちの共通の敵の次の軍動員より迅速に行われねばならない。ウクライナへの防空システム提供は、次のミサイル攻撃より先にあるべきだ。西側戦車の提供は、ロシアの戦車攻撃の先にあるべきだ。ウクライナの平和と安全の回復は、ロシアの他国の安全の攻撃より先にあるべきだ。NATOとEUの拡大は、ロシアの侵略のテンポを追い抜かねばならない」と発言した。

同氏はまた、歴史が証明しているように、世界は脅威を最初は気付かない、あるいは過小評価するとしつつ、しかし後に世界は「脅威に対抗すべく団結し、脅威に打ち勝つのだ」と指摘した。同氏は、世界は今回もプーチン・ロシアから出てきている脅威に勝つと強調した。

さらに同氏は、「世界は再び勝つ。そして、それがより早く実現するよう、加速の時が来ている」と発言した。

なお、ゼレンシキー宇大統領は2022年11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に、ロシアによる対ウクライナ戦争の終結に向けた10項目からなる「平和の公式」を提案していた

その際、ゼレンシキー大統領が平和実現のために履行が必要だと指摘した10の項目は以下のとおり。

1.放射線・核の安全

2.食糧安全保障

3.エネルギー安全保障

4.全ての被拘束者と追放された人々の解放

5.国連憲章の履行とウクライナの領土一体性と世界の秩序の回復

6.ロシア軍の撤退と戦闘の停止

7.正義の回復

8.環境破壊行為対策

9.エスカレーションの防止

10.戦争終結の確認

さらに、12月18日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナが提案している「グローバル平和の公式サミット」を今年の冬の開催を主導すると発表している。