ウクライナ勝利後の対露長期戦略が必要=ウクライナのノーベル平和賞受賞者

2022年にノーベル平和賞を受賞したウクライナの「市民自由センター」のマトヴィーチューク所長は、ウクライナが戦争に勝った後にロシアとの間でどのように行動していくかを定めるべく、長期戦略を今作る必要があると発言した。

マトヴィーチューク氏が、ウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。

記者が、「民主的なロシア」が生まれる可能性を信じるかと質問すると、マトヴィーチューク氏は、「ロシアの人々はこの戦争を支持している。なぜなら、これは『プーチンの戦争』ではないからだ。これは、ロシア帝国を無理矢理復活させたがっているロシアの人々の戦争である。ロシア人自身、学者たちがプーチンのことを『大きな耳』と呼ぶが、プーチンはロシアの人々が何を望んでいるのか聞いている。なぜなら、プーチンは弾圧と検閲の力だけでロシアをコントロールしているわけではなく、一定の社会契約を通じて支配しているからだ。その社会契約は、ロシアの大衆を基盤としており、残念なことに、ロシア人たちは自らの偉大さを、他の独立国の領土の制圧に見出してしまっているのだ。そのため、『彼らに民主的な未来はあるか』という質問への回答は、私にとっては明白である。ウクライナのこの戦争と民主的変革における成功が、彼ら(編集注:ロシア人)に、自らの帝国的文化を再考するチャンスを与える、というものだ。再考は痛みを伴う。なぜなら、鏡で自分を見ることは不愉快だからだ。皆を『ファシスト』と呼んでいたところ、突然、自分自身がファシストであったことが判明するのだから」と発言した。

同氏はまた、ロシアで何らかの民主的変革を始めさせるためには、ウクライナが勝利するための短期的な戦略が必要だと指摘した。同時に同氏は、「そして、長期的な対露戦略もなければならない。想像可能だろう。ウクライナが勝利する、しかしロシア連邦では体制が温存される。私たちは巨大な北朝鮮を隣に抱えることになる、そして、あの手の規模の北朝鮮を相手にどう行動するか、『ブラックホール』のようなものへの対応をどうするかにつき、戦略がなければ、ロシアは、『ブラックホール』らしく、あらゆる要素を手に入れ、また自らに少しずつ色々なものを引き寄せていくだろう。つまり、将来、短期戦略、つまりウクライナが成功した後に、ロシアを相手に何をしていくかについて、もう今話しておかなければならないということだ」と発言した。

記者から、「良いロシア人」なるものを巡る議論について質問があると、マトヴィーチューク氏は、「私は、民族では人を分けない。思うに、私たちが『良いロシア人と大して良くないロシア人』について話をすると、私たちは自分自身を隅っこに追いやってしまうことになると思う。私には質問がある。その価値志向一式を支持するという人が(ロシアに)いるとして、その人は(編集注:ロシアが行った)それらの行動についての責任を引き受ける準備があるだろうか、というものだ。ある人が(価値を)支持しておらず、(責任を)引き受ける準備がないなら、その人と話すことは何もない。もし、仮に、ロシアの何らかの野党が、ウクライナを前にして、ロシアが国家として犯したそれらあらゆる犯罪の責任を負う準備がないのであれば、悪いが、私たちが共通の見解に達することは決してない。なぜなら、責任をプーチン体制に転嫁することは非常に簡単だからだ。(中略)2014年の『レヴァダ・センター』の世論調査では、94%のロシア国民がクリミアの占領を支持していたのだ」と強調した。