「事実の歪曲、言いがかり」EU、ヴァルダイ会議のプーチン露大統領演説にコメント

欧州委員会のマスラリ報道官は28日、欧州連合(EU)は、前日の通称「ヴァルダイ会議」におけるプーチン露大統領の演説を、ロシアの対ウクライナ侵略戦争に関する事実の歪曲であり、自らの犯罪の意向を隠蔽するために言いがかりを行っているものだと指摘した。

マスラリ報道官がブリュッセルでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

マスラリ氏は、「私にとって、プーチン大統領の演説は、オーウェルの作品のようなものだ。その演説で、プーチン氏は、誤ったものを正しいと言い、正しいものを誤っていると述べていた。彼の演説では、真実は虚偽となり、虚偽が真実となる。いくつかの事実を指摘させて欲しい。事実は、ロシアがウクライナに対して犯罪的ないわれのない侵略戦争を行っている、というものだ。事実は、ロシア軍にウクライナの民間人、女性や子供に対する蛮行や戦争犯罪の責任がある、というものだ」と強調した。

同氏はまた、ロシアは国際法への決定的な違反を繰り返しており、実質的に国連憲章を破壊しようとしていると指摘した。さらに同氏は、ロシアの行為こそが平和と安全に脅威をもたらしているし、それは欧州においてだけのことではない、なぜならロシアの侵略行為は世界全体にとって重大な被害をもたらしているからだと述べた上で、「それもまた事実だ」と発言した。

同氏は、「ウクライナがあたかも『汚い爆弾』を作っているとするロシアの非難について、私が言えることは、ロシアが自らの行為を隠蔽するために、言いがかりの物語を作っている、という事実である。今年はじめの、ウクライナがあたかも生物兵器を開発しているとする、ロシアの言いがかりを思い出そう。それは、ロシアの犯罪的侵攻を正当化する試みの中で出てきたものであった」と指摘した。

また同氏は、ロシアは、以前も今も、非難の際に証拠を提示できていないと指摘した。

さらに、「ロシアでなければ、この戦争はなかった、というのも事実だ。ロシアが自国戦力、軍事機材を、国際的に認められたウクライナ領全体から撤退させたら、同国はこの戦争を今日にでも終わらせられる、というのも事実である」と強調した。

これに先立ち、プーチン露大統領は27日、モスクワでの通称ヴァルダイ会議で演説を行った際に、現在の対ウクライナ侵略戦争に罪があるのは西側であると発言したり、ウクライナが「汚い爆弾」を使用しようとしているとして同国を非難したり、ロシアは西側と協議の「準備」があるなどと宣言したりしていた。

写真:GAVRIIL GRIGOROV/SPUTNIK/KREMLIN POOL /PAP/EPA