G7大使、ウクライナの汚職対策検察長の任命を歓迎

ウクライナに駐在するG7の大使たちは28日、ウクライナの特別汚職対策検察(SAP)長が任命されたことを歓迎するメッセージを発出した。

G7大使ウクライナ・サポート・グループがツイッター・アカウントにメッセージを掲載した

メッセージには、「G7大使たちは、今日のオレクサンドル・クリメンコ氏のSAP長任命を歓迎する。ゼレンシキー宇大統領は、その選考手続きの待ち望まれた肯定的な終了を可能にした」と書かれている。

さらに大使たちは、本件はウクライナの汚職対策機構を目的に合わせる上での前進であるとし、今後ウクライナはSAPが政権高官の汚職と闘うために必要な、あらゆるリソースと機構的独立を確保しなければならないと強調した。

これに先立ち、28日、ウクライナの政権高官による汚職犯罪の捜査管理と起訴に特化したSAPの新しいトップに、選考委員会が選出したオレクサンドル・クリメンコ氏が任命されていた

なお、ウクライナの主要な汚職対策機構には、政権高官の汚職犯罪に特化して、独立した刑事捜査を行う国家汚職対策局(NABU)、NABUの捜査管理や起訴を行う検察機構のSAP、これら機関の汚職犯罪に特化した裁判を行う「高等反汚職裁判所」がある。この内、ホロドニツィキー前SAP長が2020年8月に辞任して以来、SAP長選考委員会が新SAP長候補を確定できておらず、同職は2年近く空席の状態が続いていた。

欧州委員会は、6月16日に、ウクライナへの欧州連合(EU)加盟候補国地位付与の勧告に並び、今後ウクライナにより行われる課題のリストを公開していた。その際、欧州委員会は、「新しいSAP長につき、選考が認められた人物の宣誓を通じた任命プロセスの終了と、新しいNABU局長の選考と任命プロセスの終了」がウクライナによって行われることを前提に、ウクライナに対してEU加盟候補国地位を付与することを勧告している。

7月12日、駐ウクライナのG7各国の大使で構成される「G7大使ウクライナ・サポート・グループ」は、ウクライナ政権がSAP長を時宜を得て任命することが決定的に重要だとするメッセージを発出していた。

7月19日、SAP長選考委員会が、新たなSAP長候補としてオレクサンドル・クリメンコ氏の選出の確定を発表していた。