「ロシアは自由を恐れるあまり、ウクライナを連想させる全てのものを消し去りたがっている」=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は10日、ロシアは自由を嫌悪しており、そのためウクライナの過去や文化、ウクライナそのものを消し去りたがっていると指摘した。

ゼレンシキー大統領が英国の大学の学生・教師とのオンライン対話の際に発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシアの目的は、戦争以外でウクライナを連想させる全ての物を消し去ることだ。ウクライナから、過去と現在の輝かしい瞬間を奪うこと、つまり、未来への権利を奪うことである」と発言した。

同氏はまた、ロシアがそのような行動をとる理由として、「なぜなら、ロシアは国家のレベルで自由を嫌悪しているからだ。彼らにとって自由は未知のものであり、だからそれは非常に恐れを覚えさせる力なのだ。たとえ自由が隣国にあっても怖い。自由がそばにあるだけでだ。ロシアにとっては、近くに自由があるというのは危険なのだ。ロシアは自由を破壊したがっている。しかし、ロシアは負けるだろう。私たちは自分たちの未来のために戦っているが、彼らは他人の過去のために戦っているのだから」と発言した。

加えて同氏は、ロシアの目的は、ウクライナの歴史、国家性、アイデンティティを消し去り、今の姿でのウクライナの存在を拒絶し、ウクライナ文化を卑下し、ウクライナ語を侮辱し、ウクライナの芸術を終わらせることにあると強調した。

同氏は、ロシアは、ウクライナ人は一度も存在しなかった、ウクライナ人は人工的に作られた民族だ、「人間ではなく、植物だか動物だかの一種」だなどと言いたがっていると指摘した。

他方、同氏は、ウクライナとウクライナ国民はすでに107日間、ロシアの侵略に果敢に立ち向かっていると強調し、「私たちの不屈の精神は、多くの人にとって『謎』となり、ほとんど奇跡のように思えただろう。『オクスフォード電鈴』とその仕組みのようだ。それもまた、どのように組み立てられ、どのように作動しているのか確実には判明していない。ウクライナもそうだ。107日間続けて、絶え間なくエネルギーを作り出し、そのエネルギーが世界第2の軍に抵抗を加え、自らと欧州を守っている。ウクライナ電池が尽きてしまったら、それこそ地球上の真のエネルギー危機となるだろう」と発言した。

なお、ウクライナでは、2月24日からロシアからの全面的侵略が続いている。

写真:大統領府