ドンバス地方の武装集団、プーチン露大統領に国家承認を要請

ウクライナ東部にて「ドネツィク人民共和国(DPR)」「ルハンシク人民共和国(LPR)」を自称する武装集団の首長、プシーリン氏とパシチニク氏は21日、ロシアのプーチン大統領に対して、それぞれを国家承認するよう要請した。

露インターファクス通信が報じた

報道によれば、双方とも、ロシア首脳陣に対して、両地域と防衛分野の連携を含む友好善隣協定を締結する可能性を検討するよう要請した。

これに先立ち、15日、ロシア国家院が「DPR/LPR」の国家承認をプーチン露大統領に呼びかける決議を採択していた。

これに対して、ウクライナのニコレンコ外務報道官は、「ウクライナの立場は、不変だ。ロシアによるいわゆる『LPR/DPR』の承認は、ミンスク諸合意の意図的離脱を意味する」と発言していた。

同氏はまた、そのような行動は政治・外交的情勢解決に深刻なダメージをもたらすものだと指摘した。同時に同氏は、いわゆる『LPR/DPR』の承認には法的効力が一切発生しないと指摘した。

また、在ウクライナ米大使館は、「今日の露国家院での『LPR/DPR』関連投票は、ウクライナの主権を侵害するさらなる不快な試みであり、その地の再統合を署名者に義務付けるミンスク諸合意の明らかな違反である。私たちは、ウクライナとともにある」とコメントした。

ドイツのショルツ首相は、「その決議が現実のものとなれば、(中略)それは(ミンスク)プロセスへの違反となり、その終わりを意味することになろう。それは政治的惨事となろう」と警告した。

ストルテンベルグNATO事務総長は、「いわゆる『LPR/DPR』の承認についてだが、もしそれが起きてしまったら、それはウクライナの領土一体性と主権のさらなる著しい侵害となる。間違いなく、ドネツィクとルハンシクはウクライナの一部であり、国際的に認められた国境内にある。そのため、その承認は、国際法の違反であり、ウクライナの領土一体性と主権の侵害となる。それはまた、ミンスク諸合意の違反となり、ミンスク諸合意にもとづいた政治的決定の模索をさらに複雑な課題とすることになる」と発言した。