ゼレンシキー大統領、トルドー加首相と電話会談 東部・国境情勢など協議

ゼレンシキー大統領は11日、カナダのトルドー首相と電話会談を行い、ウクライナ東部・国境情勢を協議した他、2020年1月にイラン首都テヘラン近くでのウクライナ国際航空旅客機撃墜の犠牲者への公正な賠償金の支払いに向けた努力について話し合った。

ウクライナ大統領府広報室が伝えた

発表によれば、ゼレンシキー大統領は、トルドー首相に対して、ウクライナ・カナダ間特別パートナーシップに関する共同宣言を更新することを提案した。大統領は、「私たちの二国間関係の前例のない性格、そして新たな外的挑戦と優先課題に鑑み、私は、両国外相に共同宣言の更新を指示することを提案する」と発言した。

ゼレンシキー大統領はまた、ウクライナ東部と国境の情勢について報告し、また現存の協議フォーマット(編集注:ノルマンディ、ミンスク)における平和達成を目的とした行動を伝えた。

さらにゼレンシキー氏は、情勢解決における友好国、パートナー国の役割と、ロシアの侵略強化は看過し得ないことを指摘した上で、ウクライナ抜きでウクライナに関する決定は一切採択されてはならないと強調した。

両者は、予定されている国際行事と協議フォーマットに関する立場につき意見を交換した。

ゼレンシキー大統領は、「ロシア連邦との対話における西側諸国の立場は堅固で意志の強いものだ。クレムリンの攻撃的意図へ対抗するためには、予防的な対露制裁パッケージの緊急発動への準備が不可欠だ」と発言した。

ゼレンシキー氏はまた、ウクライナの欧州大西洋統合路線が不変であることを強調し、同路線においてカナダがウクライナを包括的にサポートし続けることを確信していると述べた。ゼレンシキー氏は、「ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)以外の誰も、私たちのNATO統合プロセスへ影響力を有してはならない」と強調した。

その他、カナダ政府によるウクライナ軍人訓練ミッション「UNIFIER」の継続の重要性が指摘された。

両首脳はまた、2年前にイラン首都テヘラン近くでのウクライナ国際航空旅客機PS752撃墜の遺族への然るべき賠償金が支払われるよう、共に努力することが必要だとの立場で一致した。

ゼレンシキー大統領は、カナダに対して、ウクライナの主権と領土一体性、並びに欧州大西洋統合願望への強固な支持につき謝意を伝えた。

また、ゼレンシキー氏は、トルドー首相に対して、2022年にウクライナを訪問するよう招待した。

写真:大統領府