ゼレンシキー大統領、トルドー加首相と電話会談 対露制裁協議

ゼレンシキー大統領は2日、カナダのトルドー首相と電話会談を行った。両者は、ロシアがウクライナへの侵攻を拡大した場合の制裁メカニズムを準備することが必要との点で同意した。

ウクライナ大統領府広報室が公表した

発表によれば、今回の電話会談は、30年前の同日にカナダがウクライナの独立を承認したことに合わせて実施されたものとのこと。

ゼレンシキー大統領は、トルドー首相に対して、ウクライナの人々は友好国カナダからの心からのサポートを常に感じてきたと述べつつ、特にロシアの侵略が始まって以降の過去8年はカナダのサポートは目立っていたと発言した。また、大統領は、トルドー首相のウクライナの主権と領土一体性への一貫した強固な支持につき謝意を伝えた。

大統領は、「この30年、カナダは常に私たちにとっての牽引的パートナー、同盟国の一つであり続けてきた」と述べ、両国間友好関係におけるウクライナ系カナダ国民の役割を指摘した。

加えて、ゼレンシキー大統領は、ウクライナ国境の状況を詳細に報告した上で、現在カナダ軍国防参謀総長がキーウ(キエフ)を訪れていることの重要性を指摘した。

両首脳は、ウクライナ国内(編集注:被占領地)と周辺における安全保障上の脅威、とりわけ、社会・政治状況不安定化のリスクと関連したものにつき、同様に評価した。両者は、民主的国際社会がウクライナを調整して支持することが重要だと強調した。その点で、両者は、ロシアがウクライナに対する侵略を激化した場合、ロシアに対して経済的、政治的、制裁的圧力を強化するメカニズムを準備することが不可欠であるとの点で同意した。

両者はまた、クリミア・プラットフォームの活動へのカナダの更なる参加の手段について協議した。

その他両者は、ウクライナ国民のためのカナダ査証取得要件緩和・免除の展望や、両国間自由貿易圏の拡大、イランで撃墜されたPS752便の罪人の責任追求問題での今後の緊密な調整についても話し合った。

ゼレンシキー大統領はまた、トルドー首相に対して、最近のホロドモール被害者追悼メッセージにつき謝意を伝えた。

なお、ゼレンシキー大統領とトルドー加首相は、11月1日にも英グラスゴーで会談を行っている。