ロシアがマレーシア機撃墜について真実を述べることはない 情報収集を継続すべき=ベリングキャット

民間調査グループ「ベリングキャット」の創始者エリオット・ヒギンス氏は、ロシアが2014年マレーシア航空MH17便撃墜における真実を述べることはないだろうとし、そのために同事件に関する真実の模索と情報の収集の努力を続けなければならないと発言した。

ヒギンス氏がウクルインフォルムのハーグ特派員にコメントした。

ヒギンス氏は、「ロシアがいつかMH17に関する真実を述べるということに、希望は一切ないのであり、そのため、私たちは自分で真実を集めなければいけないのだ」と強調した。

同氏は、オランダで続くMH17裁判につき、事件犠牲者遺族の証言は同裁判における最も感情的で重要な部分だったとし、「遺族が裁判で発言するというのは審理の重要な部分だ。彼らは、裁判で自らの考えを述べ、どれほどの命が失われたか、その破滅的出来事がその後の行動やロシアの振る舞いによってさらに悪化したかを思い出させるものだ」と指摘した。

なお、オランダのスキポール裁判コンプレクスにて続いているMH17裁判は、24日に第9段階が終了。公判は11月1日に再開され、事件遺族たちが証言を続ける。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させている。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名(イーゴリ・ギルキン(ロシア国籍、ロシア連邦軍元将校、ロシア連邦保安庁(FSB)元大佐)、セルゲイ・ドゥビンスキー(ロシア国籍、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐)、オレグ・プラートフ(ロシア国籍、予備大佐)、レオニード・ハルチェンコ(ウクライナ国籍))を公表している。

MH17の公判は、2020年3月に始まっている。

同捜査は現在も続いている。2021年9月2日、JITは、撃墜に用いられた地対空ミサイルシステム「ブーク」の搬送元であるロシアの都市クルスクにおける、証拠となる写真、動画、公的文書などの情報提供を呼びかけるメッセージを発表した。