ウクライナ国会、ロシア国家院選挙を違法と認定

ウクライナ最高会議(国会)は22日、9月17日〜19日に投票が行われたロシア国家院選挙を違法とみなす決議声明を採択した。

関連決議第6078の採択に最高会議議員322名が賛成した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

同声明には、最高会議は2021年のロシア連邦国家院選挙と同選挙の結果として形成されるロシア連邦国家院を違法とみなすと書かれている。さらに最高会議は、諸外国の議会や国際議会組織に対してロシア連邦の捏造された議会選挙、被占領下ウクライナ領クリミア・セヴァストーポリ市での違法な投票実施、ドネツィク・ルハンシク両州一部ロシア占領地のウクライナ国民を同選挙に参加させたことに対して、然るべき評価を下すよう要請している。

最高会議議員は、クリミアとセヴァストーポリがウクライナの不可分の領土であることから、同地のウクライナ国民をロシア連邦の有権者や国家院議員候補者のリストに加えることはウクライナ憲法と国際法の観点から違法であり、無根拠であり、またクリミアとドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民に対して強制的にロシア国籍を取得させたことは国際人道法違反であると指摘している。

写真:ヴォロディーミル・タラソウ/ウクルインフォルム

なお、ロシアでは、9月17日から19日にかけて国家院選挙の投票が行われた。

ウクライナ外務省は、この国家院選挙が被占領下ウクライナ南部クリミアでも違法に組織されていること、またウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民が強制的に選挙に参加させられていることに対して、強い抗議の意を表明している。

ウクライナ最高会議(国会)は、ロシアが国家院選挙に向け、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択している。

ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)は、一時的被占領下ウクライナ領クリミア・ドンバスにおけるロシア連邦国家院選挙の組織・実施に関わった人物に対して制裁を発動する決定を採択している。

欧州連合(EU)や米英トルコなどは、ロシア連邦が同国下院選挙を被占領下ウクライナ領クリミアでも実施したことや、その他野党勢力への攻撃などを批判している。