ゼレンシキー大統領、「ブルガーコフがウクライナで禁書」との偽情報にロシア語で反論

ウクライナ首都キーウ(キエフ)では、ミハイル・ブルガーコフの書籍もボリス・アクーニンの書籍も購入可能である。

5日、ゼレンシキー大統領がロシア語での動画メッセージにて発言した

ゼレンシキー大統領は、「書籍院のデータでは、昨年だけで『巨匠とマルガリータ』(注:ブルガーコフの長編小説)が39回印刷されたという。この小説は、学校のカリキュラムにも入っている」と発言した。

同時に大統領は、『巨匠とマルガリータ』出版許可は14回出されているが、一社にだけ国内法にのっとり出版許可が下りなかったと指摘しつつ、「しかし、それは、ブルガーコフのせいではなく、本の前書き部分に、クリミア併合を支持する活動家が記述されていたからだ。端的に言えば、ウクライナにおけるブルガーコフ禁書というニュースは、プレオブラジェンスキー教授の言うところの『宇宙級の妄想』である」と強調した(編集注:プレオブラジェンスキー教授は、ブルガーコフ作『犬の心臓』の登場人物)。

その上で大統領は、キーウ中心部ではロシア語で出版された書籍が自由に購入できると、ブルガーコフの書籍を手にして説明しつつ、同時に複数の報道機関や最高会議(国会)議員はその事実を無視して、社会を騙そうとしていると指摘した。

大統領は、「別の作家の言葉を引用して答えよう。有名なロシアの野党知識人ボリス・アクーニン氏の言葉だ。『最低の悪は、善のフリをした悪である』。私は、前述の人々、前述のマスメディアはこれによく当てはまると思う。ところで、彼らは、ウクライナではアクーニンの書籍も禁止されていると嘘をついていたのだ」と指摘した。