再統合省、「クリミア併合」という表現を用いないよう要請

ウクライナ領クリミアについて「併合」と用語の誤用が報道機関や専門家の間で頻出している。ウクライナ国内法に従えば、セヴァストーポリ市を含むクリミア半島は、「ロシア連邦に一時的に占領されているウクライナ領」である。

一時的被占領地再統合問題省のイーホル・ヤレメンコ次官が、外交シンクタンク「プリズマ」の準備した分析報告「新しい脱占領政策」のプレゼンテーションの際に発言した。同省広報室が伝えた

ヤレメンコ氏は、「クリミアとセヴァストーポリを『併合された』と呼ぶことができる唯一の国は、ロシア連邦である。それ以外の全ての国際社会は、『一時的被占領地』という表現をクリミアにもドンバスにも使っている。クリミアについては、『併合が試みられている』という表現も認められるが、『併合された』ではない。それは私たちにとっても極めて重要なことである。表現により、国際人道法によるロシア連邦の義務を強調しているのである」と説明した(編集注:国連総会クリミア人権決議により、ロシア連邦はウクライナ領クリミアの占領国と定められている。また、占領国の義務は、1949年8月12日付ジュネーブ第四条約が定めている)。

同氏はまた、クリミアを「併合された」と表現することは、クリミア・セヴァストーポリ返還問題は「すでに終了した」とするロシアの言説を受け入れることになると指摘した。同氏は、「私たちは、それには全く同意していない。そのため、『一時的被占領下』という用語を使うことを強く要請する。なぜなら、クリミアは、ウクライナのコントロール下に戻るからだ。私はそう確信している」と発言した。

なお、18日、国連総会第3委員会にて、クリミア人権決議案が採択されている。同案には、クリミアにある諸「機関」をロシア連邦の違法占領政権の機関と分類することが定められている。同案は、日本を含む63国の賛成で採択されており、12月に国連総会本会議にて本採択される見込みとなっている。