最高会議、大統領の提案内容を加えた上で、選挙法典を再採択

最高会議は19日、ゼレンシキー大統領の提案内容を加えた上で、選挙法典を再度採択した。

最高会議議員330名が賛成した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

選挙法典とは、現行の最高会議議員選挙法、大統領選挙法、地方選挙法、中央選挙管理委員会法、有権者国家登録法の5本の法律を統合するものであり、全選挙実施の基本、全国選挙(大統領選挙・最高会議選挙)、地方選挙実施手続き、の3つの内容から構成される。

同法典案は、本年7月11日に前最高会議が採択していたが、9月14日にゼレンシキー大統領が拒否権を発動していた。その際、大統領は、17の提案を示した上で、最高会議に再審議を求めていた。今回、最高会議は、大統領の提案を加えた上で、同法典案を採択した。

ゼレンシキー大統領の提案の中には、クリミアやドンバスからその他の地域へ避難している国内避難民や障がい者などの有権者の選挙権実現を保障することが含まれている。

その他、大統領は、地域行政区に持つ地方組織数が14未満となる政党の全国選挙への候補者推薦権限を制限することを提案していた。

また、大統領提案の中には、国際選挙監視団の過去の選挙監視結果が考慮されていないことが指摘されており、とりわけ、選挙運動期間中の関連支出の制限や、既にこれまでの選挙法で選出されている最高会議議員が次期最高会議選挙までに辞任した場合の、新選挙法典での補選の扱い等に注意が向けられていた。

なお、投票に先立ち、オレクサンドル・カーチカ国家建設・地方自治・地域発展・都市建設委員会副委員長は、ウクルインフォルムに対して、大統領の選挙法典案に対する提案・クレームは主に選挙システムに関する内容であり、有権者にとってのシステム簡素化を目的にしたものだとコメントしていた。

また、同法典により、次回以降の最高会議選挙では、従来の小選挙区制が廃止され、非拘束式名簿(オープンリスト)比例代表制が導入される。