ゼレンシキー大統領、モルドバ新首相と会談 「ウクライナもモルドバも露軍の撤退を望んでいる」

11日、モルドバのマイヤ・サンドゥ首相がキーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンシキー大統領と会談した。ゼレンシキー大統領は、ウクライナはモルドバのトランスニストリア問題協議に積極的に加わっていくと発言した。

ゼレンシキー大統領がサンドゥ首相との会談後共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

大統領は、「モルドバの政府と議会は、ウクライナの主権と領土一体性を常に支持してきたし、モルドバ新政府がこの支持を継続することを期待している」と述べた。

同時に大統領は、ウクライナはモルドバの領土一体性への包括的サポートを与え続けるし、トランスニストリアの情勢解決に向けた協議プロセスにも積極的に参加し続けると明言した。

大統領は、ウクライナとモルドバの主権保護の問題、両国の位置する地域の安全保障問題は一体のものだと指摘し、「ウクライナとモルドバは、どちらも自国からロシア軍が撤退することを望んでいる。さらに両国とも、いわゆる『連邦化』なる計画を押し付けられることを許さない」と強調した。

トランスニストリア問題とは、モルドバ国内の領土問題のこと。1990年以降、モルドバのロシア軍が駐留するトランスニストリア地域でモルドバ政府軍との間で紛争が発生。現在停戦状態にあるが、同地にはロシア軍が駐留し続けており、モルドバ政府や国際社会がロシアに軍撤退を要求し続けている。最近では、7月8日には、OSCE議員総会がロシア連邦に対してモルドバ領からの軍の撤退を呼びかける決議を採択している。

また、2003年、ロシア連邦は、モルドバ政府に対してトランスニストリア地域等への権限を与え、同国を連邦化する案「コザク・メモランダム」を提示したが、当時のモルドバ政権が署名を拒否している。