国際海洋法裁判所判決 露外務省の反応

25日の国際海洋裁判所(ITLOS)によるウクライナ海軍艦船・乗員の解放をロシア連邦に命令する判決を受け、ロシア外務省は、ウクライナ側がケルチ海峡沖でロシア国内法を守っていれば回避できたものだとのコメントを発出した。

25日、ロシア外務省が公式ウェブサイトにITLOSの判決に対するコメントを掲載した。

コメントには、「ロシア側がこれまで何度も指摘してきたように、1982年に国連海洋法条約の署名と批准時にロシアとウクライナが行った声明は、2018年11月25日のケルチ海峡沖での事件に関して同条約の定める係争解決手続を用いる可能性を排除するものである」と書かれている。

その上で、ロシア外務省は、ITLOSに本件を審議する管轄権がない等とする同国の主張を引き続き一貫して主張していくとしつつ、「本件の発生は、同地区(ケルチ海峡沖)にて航海に関するロシア国内法の要件を遵守していれば回避できた。私たちは、ウクライナ側に対し、今後はそのように行動するよう呼びかける」と書かれている。

これまでの報道にあるように、5月25日、国際海洋裁判所は、ロシアに対して、同国が拿捕・拘束するウクライナ海軍の艦船とその乗員を速やかに解放しなければならないと命令する判決を下している

その際、ITLOSは、本件がITLOSの管轄ではないとするロシア側の主張を棄却し、本件がITLOSの扱う問題であることを認めている。