ウクライナ情勢は「危機」や「内戦」ではなく露による「占領」=ポロシェンコ大統領、国連にて

ポロシェンコ大統領は、国連総会にて、ウクライナ領で生じているのは「ロシアによる占領」であり、「ウクライナ危機」や「内戦」ではないと主張した。

20日、国連総会における「ウクライナの一時的被占領地域における情勢」特別討論の際にポロシェンコ大統領が演説を行った。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ポロシェンコ大統領は、「『ウクライナ危機』や『ウクライナ内戦』なるものは存在しない。生じているのは、ロシアからウクライナへの武力による占領と侵略である」と発言した。

この文脈で、大統領は、国際刑事裁判所(ICC)の検察官の発表においても、クリミアとドンバス情勢が「ロシア・ウクライナ間武力紛争」と定義されており、またロシアのクリミア併合の試みも「継続する占領状態」と定められていることを喚起した。

また、ポロシェンコ大統領は、ウクライナ領の被占領地域ではロシア軍とロシア占領政権が活動していることを説明しつつ、「(被占領地域には)『実質的政権』なるものは存在せず、存在するのは『ドンバスとクリミアの一時的被占領地域におけるロシア占領政権』とロシアの国家機関である。そして、そこには、『蜂起した者』はおらず、『ロシア連邦国防省傘下のロシア正規軍』と同国の『特殊任務部隊と秘密機関』がいるのである。『クーデター実行者』がいるのではなく、『ロシアの補佐官や計画者』と、ロシアが作り、武装させ、財政支援し、コントロールする違法な武装集団がいるのである」と説明した。

なお、今回の特別討論は、昨年、ウクライナ国連代表団により2019年の国連の議題に「ウクライナの一時的被占領地域情勢」が含められたことから開催されたものであり、ロシアによる対ウクライナ武力侵略開始から5年経過となる2月20日にこの議題での第一回特別討論の開催が決まっていた。

同日、ポロシェンコ大統領は、国連総会のこの特別討論への出席を目的にアメリカを訪問している。