露モスクワ市裁判所、ウクライナ海軍軍人残りの4名の逮捕期間も延長

16日、ロシアのモスクワ市レフォルトヴォ裁判所は、ウクライナ海軍軍人4名の逮捕期間を4月24日まで延長した。

同日、フロマツィケ通信が伝えた。

これにより、昨年11月末にケルチ海峡近海でロシア治安機関に拘束されたウクライナ海軍軍人等24名全員の逮捕期間が4月24日まで延長されたことになる。

海軍軍人の弁護士団は、これら4名に関しても、彼らが捕虜であるとの観点から軍事裁判所での審議を要請したが、裁判所はこれを認めなかった。

ロシア連邦保安庁(FSB)捜査官は、容疑者が捜査から逃れるリスクがあるとして逮捕期間の延長を要請した。弁護士団は、リスクの根拠が薄弱であると主張していた。

海軍軍人4名は、弁護士団の主張を支持するとともに、裁判官の質問に対しては、ジュネーブ条約に照らし、名前と階級を除き一切の回答を拒否した。

また、裁判所は、今回の審議もFSBの要請に従い非公開とした。弁護士団は、本件には秘匿文書がないのであり、非公開審議とする根拠がないと主張していた。

なお、これに先立ち、1月15日、同レフォルトヴォ裁判所は、捕虜となっている24名のウクライナ海軍軍人のうち20名の逮捕期間を延長していた。

本件は、昨年11月25日、ロシアがクリミアに接するケルチ海峡近海にて、ウクライナ海軍の艦船を砲撃し、だ捕し、乗船していた24名の海軍軍人と保安庁職員を拘束したことから始まる。これまで、被占領地クリミアにおけるロシアがコントロールする「裁判所」がこれら24名全てを2か月間逮捕する判決を下していた。

現在、21名はモスクワ市内の拘置所「レフォルトヴォ」にて拘束、3名は「マトロスカヤ・チシナ」で拘束されている。この24名全員が、ジュネーブ条約にのっとり、自らを捕虜であると宣言している。

写真:ウラディスラウ・ドゥブチャク/Hromadske