汚職対策機関、オメリャン大臣家宅捜索情報の事前漏洩を否定

アルテム・シートニク国家汚職対策機関(NABU)長官は、違法蓄財等の容疑がかけられているヴォロディーミル・オメリャン・インフラ相の家宅捜索を事前に本人に伝えたとする情報を否定した。

シートニクNABU長官が公共テレビ局「UA第一」へのインタビューで述べた。

シートニクNABU長官は、オメリャン・インフラ相との会話はあったが、国鉄ウクルザリズニツャ社の汚職の刑事捜査に関係する会話であったと説明した。

同長官は、「オメリャン大臣とのコンタクトはもちろんありました。家宅捜索についての事前連絡はしていません。大臣と何度も連絡していたのは、大臣がいつも、ウクルザリズニツャ社やその他のインフラ省に関わる捜査関係情報を提供していたからです」と述べた。

これまでの報道では、特別汚職対策検察(SAP)は、オメリャン・インフラ相が家宅捜索実施の計画を事前に伝えられたと述べているとして、シートニクNABU長官が裁判前捜査の情報を漏洩した可能性があることにつき、刑事捜査を登録したと発表していた。

なお、それに先立ち、9月13日には、オメリャン・インフラ相には、違法蓄財と不正資産申告の容疑が手交されている。

NABU捜査官は、オメリャン・インフラ相は2015年、当時インフラ次官の職についていた際、「取得の合法性が確認できる証拠がなく、価格が合法的収入よりも著しく上回る」資産を入手したことを摘発していた。具体的には、2015年モデルの新しい自動車「BMW X5」と現金9万ドルと2万5000ユーロであり、これらは資産獲得時点の換算で423万500フリヴニャに相当する。

加えて、NABUの情報では、捜査により、同大臣が不正な資産申告を行なっていたとのこと。電子資産申告データベースには、同大臣の申告には、2015年分には少なくとも3億3400万フリヴニャ相当が、2016年には8億2400万フリヴニャ以上が未申告であったとのこと。

9月14日、キーウ(キエフ)市ソロムヤンシク地区裁判所は、オメリャン・インフラ相容疑者の裁判前予防措置を審議して、同容疑者をイーホル・ジュダーノウ青年・スポーツ相とフェージル・ベンデュジェンコ最高会議(国会)議員が保証人となることで保釈することを決めた。オメリャン・インフラ相は、国外渡航用旅券を預けることが義務付けられた。その後、NABUは、同大臣の国外出張は認めたとのこと。