外務省、ロシアに対して、友好条約停止に関する口上書を送付

ウクライナ外務省は、ロシアに対して、友好協力パートナーシップ条約を延長しないと伝える口上書を送付した。

21日、パウロ・クリムキン・ウクライナ外相が記者会見時に発表した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

クリムキン外相は、「外務省は、ロシアに対して、友好協力パートナーシップ条約を延長しないことについての形式上の口上書を送付した」と述べた。

同外相は、口上書には根拠としてのロシアによる対ウクライナの違反事項が非常に細かく記述されているとし、「ロシアの対ウクライナ侵略、対ウクライナ・ハイブリッド侵略、経済圧力、ウクライナ国民の権利侵害が関係する。この条約は、ロシアが根本から違反した。そのため、延長は不可能である」と説明した。

また、同外相は、ウクライナは常にこの条約を利用してきたし、国際裁判所への対ロシア訴訟の準備段階でもこの条約を参照してきたと述べ、「それは、国際司法裁判所(ICJ)に関係する。現在、私達には、ロシアに対する革命的な訴訟がいくつかある。私たちが行っている国際仲裁裁判の訴訟や、海洋法条約に関する訴訟、そしてもちろん、ストラスブールの欧州人権裁判所でのウクライナ国民の訴訟のことである。しかし、非常に重要なのは、ロシアがこの友好条約を違反したことで、私達がいわゆるヤヌコーヴィチ(前大統領)負債関係の裁判で成功をおさめることができたことである。また、今後、ロシアの軍事侵略とハイブリッド侵略が、ロンドンの裁判所で審議されていくのである」と述べた。

クリムキン外相は、「多くの人にとっては、政治的や感情的な観点から、どうして私たちが友好条約を破棄するのではなく、延長しないという選択をしたのかを理解するのが非常に難しいようである」とし、その理由として、対ロシアの裁判審議を行う国際裁判所においてこの条約を参照することは今後も有益なのだということを説明した。

すでにウクルインフォルムが報じたように、17日、ペトロ・ポロシェンコ大統領は、ウクライナ・ロシア間友好条約の効力停止に関する国家安全保障国防会議(NSDC)の決定を発効する大統領令に署名をしていた。

このウクライナ・ロシア間友好協力パートナーシップ条約は、1997年5月31日にキーウ(キエフ)で署名されたもの。この条約は、特に互いに「領土一体性と主権を尊重」することを義務づけ、両国が「両国間の現存する国境を犯さないことを確認」したものであった。