修理された「パトリオット」のレーダーがウクライナに戻される

修理不可能だとみなされていた、激しく損傷した防空システム「パトリオット」のレーダーが対ウクライナ安全保障支援及び訓練組織(NSATU)の関与により、無事修理を終え、ウクライナに戻された。

北大西洋条約機構(NATO)ウクライナ代表部広報室がNSATUの副司令官を務めるマイク・ケラー少将の独FAZとのインタビューを紹介した

ケラー氏は、「数か月前に『パトリオット』のレーダーシステムが激しく損傷した。私たちはレーダーをドイツに戻したが、産業代表者たちは修復は不可能だと私たちに伝えた。新しいものを製造するのにどれぐらいかかるのだろうか? 数年だ。私たちはそれに同意しなかった。ヴィスバーデンからドイツ空軍の真の職人たちを関与させた。彼らは1日16時間、月曜日から土曜日まで作業し、7月には修理されたレーダーをウクライナに送り返したのだ」と伝えた。

そして同氏は、先週修復されたレーダーが最初の標的撃墜を記録したと付け加えた。

同氏はその他、ウクライナ防衛戦力を助けている3つの主要な「柱」である、機器修理を含む物的支援、軍人訓練の調整、ウクライナ軍の未来の確保について言及した。

同氏はまた、これまでにウクライナ兵約3万人が訓練を完了したと述べつつ、同時にNATO軍人もウクライナ人から多くのことを学んだと指摘した。その際同氏は、「彼らは毎日戦っている。先述的な歩兵戦闘、とりわけ無人航空機に関する彼らの経験は、私たちにとって信じがたいほどに貴重である。私たちは、自らのアプローチを多くの再考せねばならない」と認めた。

ウクライナ軍の未来の確保について、同氏は、NATOとの相互運用性を達成することの重要性を強調した。

なお、「対ウクライナ安全保障支援及び訓練組織」(NSATU)とは、NATO加盟国及びパートナー国共同の努力で、ウクライナ軍への長期的かつ構造的な支援を確保するために設立されたNATOの司令部。

ルッテNATO事務総長は、今年4月の訪日の際に、ドイツのヴィースバーデンに設置されたNSATUへの日本の参加意欲を歓迎していた

写真:NATO