米国、無人機で得たドンバス上空からの情報をウクライナに提供:報道
アメリカ合衆国は、ドンバス地方のコンタクト・ラインの情勢に関して、無人偵察機RQ-4グローバルホークにて得た情報をウクライナに提供している。
11日、ラジオ・スヴォボーダ通信が、在欧アメリカ空軍・アフリカ空軍司令部の広報室からの回答をもとに報じた。同広報室は、同通信社の問い合わせに対し、「アメリカ空軍は、ウクライナ側に、RQ-4グローバルホークのドンバス上空飛行中に得た諜報情報を提供している」と返答したとのこと。
一方で、アメリカ国防省は、全ての飛行がウクライナ側と調整されたものであるという情報以外は、本件協力に関する一切の情報提供を拒否したとある。
同通信は、同軍のクリストファー・ボウヤー=ミーダー(Christopher Bowyer-Meeder)スポークスマンによる「米国空軍の情報収集、観察、諜報は、私たちの同盟国やパートナー国が決定を下すのに十分なだけ提供している。本件は政治や安全保障に関わるものであり、私たちは、作戦上の詳細を議論することはできない。私たちは、私たちに支援が要請されている地域における脅威を考慮して、情報収集、観察、諜報の手段を利用している。全てのミッションは、受入国との完全な調整により行われている」との発言を引用している。
なお、ウクライナ東部ドンバス地方の統一部隊作戦圏でグローバルホークの飛行が最後に確認されたのは、本年3月1日。なお、マスメディアは、同無人機の飛行を2016年から約10回報告している。
また、同報道では、ペンシルバニア大学のマイケル・カーペンター「ペン・バイデン・センター」所長の本件へのコメントとして、「多くの部隊や、大型の侵攻作戦に必要な戦車やその他のタイプのシステムは、グローバルホークなら容易に確認できる。また、視覚的に敵や地点を分析するための諜報や観察であれば、グローバルホークは最善のものである」との発言を伝えている。
また、無人機の飛行は、ロシアに占領されたクリミアの沿岸沿いでも複数回確認されている。報道では、2019年1月30日に、クリミア付近でアメリカの偵察機3機が確認されていたことを伝えている。