ウクライナ海軍司令官:アゾフ海・黒海海上情勢激化の際は、ウクライナは武力を行使する

ウクライナ海軍は、ロシアに対して、アゾフ海と黒海における情勢が激化した際には、武力を行使する準備がある。

イーホル・ヴォロンチェンコ・ウクライナ海軍司令官がBBCの16日発表のインタビューで述べた。

ヴォロンチェンコ海軍大将は、「仮に何かしらの激化があれば、我々は武力を行使する。仮に、彼らが激しい不安定化を行うのなら、我々は適切に対応するし、船舶を連れ、現場に向かうことになる」と述べた。

同司令官は、ウクライナ海軍は、小規模勢力であっても必要な課題を遂行できる能力があるとし、「衝突はありうる。しかし、私たちは、海洋法の規範にのっとって行動していく。そう、我々の方が規模が小さく、能力も相手ほどではない。しかし、自らの課題は遂行できる。二度目のクリミアはない。状況は繰り返さない」と明言した。

また、ヴォロンチェンコ司令官は、ロシアがハイブリッド戦争の新しい手法を用いていることを指摘した。同司令官によれば、ケルチ海峡通過の安全、密漁・密輸、自由な航行と言う、ロシアが述べている課題は、実際には偽の課題であり、彼らの基本的な関心は、ウクライナ経済への影響行使、ウクライナの港の破産、アゾフ海沿岸の社会的不安定化、アゾフ海の自由な航行の妨害にあることに注意を向けた。その上で、同司令官は、「ベルジャンシクとマリウポリは、船舶が止められていることで、多額の収入を失った」と発言した。

ヴォロンチェンコ司令官は、ロシアは黒海沿岸の州の不安定化を今後も行う可能性があるとし、その目的はウクライナ住民の一定の層に、最終的にはウクライナの政権に影響を及ぼすことにあるとの考えを示した。

写真:http://www.mil.gov.ua/