ウクライナの汚職対策機関、国会議員と地方行政府幹部の汚職犯罪容疑を摘発

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ウクライナの政権高官の汚職犯罪の捜査・訴訟に特化した機関「国家汚職対策局(NABU)」と「特別汚職対策検察(SAP)」は2日、現職の最高会議(国会)議員、地区・市の軍民行政府のトップ、および国家警護隊の軍人が、無人機と電子戦機器を過度に吊り上げた価格で購入していた事件を摘発した。

NABUがテレグラム・チャンネルで発表した

報告には、「本日、汚職犯罪に関与した人物を摘発するための一連の措置が実施された。贈収賄で摘発された者の中には、ウクライナの現職の最高会議議員、地区および市の軍民行政府のトップ、国家警護隊の軍人が含まれる。このスキームの本質は、あらかじめ過剰に吊り上げた価格で納入業者と国家契約を結ぶことにあり、契約金額の最大30%が不正な利益として犯罪の参加者に還元されていた」と説明されている。

NABUはまた、現在までに4人がすでに拘束されており、詳細は後ほど公開されるという。

その他、報告には、NABUとSAPは、現行法で定められた法的権限の範囲内でのみ活動していると指摘されている。

NABUは、「私たちは、迅速かつ公正な判決を得るために私たちの努力を向け、結果に集中している。この作戦の実施は、ウクライナ大統領が署名した法律第4560ー9号によって可能になったことを指摘する。この法律は、汚職対策機関の活動における多くの障壁を取り除き、国家にとって機密性の高い捜査における活動の安定に貢献した」と指摘した。

そして、NABUとSAPは、今回の作戦が、最高レベルの機構面の支援とチームの連携がどのようにして実際の変化を促すかの一例であると強調し、独立した汚職対策インフラを支援してくれた大統領に謝意を表明した。

また、NABUはその後本件の詳細を公開し、組織的犯罪集団の構成員には、ウクライナ最高会議議員、元ルハンシク州軍行政府長官(現在はある地区軍行政府長官)、市軍行政府長官、国家警護隊の軍部隊長、企業の実質的支配者および無人機供給企業の社長が含まれていたと伝えた。

捜査情報によると、2024年から2025年にかけて、この集団の参加者たちは、地方自治体から防衛戦力のニーズのために割り当てられた予算を組織的に横領し、また特に大規模な不正な利益の授受を行う計画を策定していたという。

NABUとSAPが今回暴いた計画の1つは、電子戦システムの供給に関する国家契約締結の際に実行されたという。あらかじめ過度に吊り上げておいた価格で製品を調達する契約を結ぶことで、集団の参加者は契約金額の30%に相当する不正な利益を受け取っていたという。

FPV無人機の調達計画も同様のスキームで実行されていたという。ある軍部隊は、約1000万フリヴニャ相当の国家契約を、約8万米ドル分価格を過度に吊り上げた製品を供給する企業と締結。契約履行後、その企業の幹部たちが犯罪集団の参加者に「キックバック」を渡していたという。

NABUは、現在拘束した人物4名に対し、容疑通知の手続きが行われていると伝えた。

写真:NABU