ウクライナ汚職対策機関、ノヴァク元国家車道庁長官の容疑を説明

国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察(SAP)は、同日ポーランドで拘束された元ウクライナ国家車道庁長官のスワヴォミル・ノヴァク容疑者の容疑について説明した。

ウクルインフォルムにてアルテム・シートニクNABU局長とマクシム・フリシチュークSAP長代行が記者会見を行なった。

フリシチューク氏は、「共同捜査チームが分析してきた出来事は、2016年から2019年にかけてのものだ。既に発言にあるように、元国家車道庁長官代行は、自らや第三者のための違法報酬獲得のために職務乱用を伴う方策をとっていた。それが捜査対象である。現在彼は、これらによるポーランドで拘束されている。その内の一つは、ウクライナ領内の道路建設に関わるものだ」と説明した。

同氏は、元国家車道庁長官代行(編集注:ノヴァク容疑者)は、道路建設が予定通り完成しなかったウクライナの企業に対して、罰金を発生させないよう契約期間を延長させる「問題解決のための支払い」を提案したと指摘した。

また、同氏は、ポーランド国内では、そのために特別な企業が設置されており、同企業の創設資金は上述のウクライナの企業により支払われていたと指摘し、「このような手段で、違法報酬を受け取っただけでなく、その資金を合法化もしていたのだ」と説明した。

同氏は、別の事案は、同元ウクライナ国家車道庁長官による、同庁と国際的な道路関係企業によるポーランドでの企業設立に関するものだと指摘し、同元長官はその件でも違法な「問題解決」を提案したのだと説明した。

更にフリシチューク氏は、同元長官はウクライナでの仕事を終えた後に違法な手段で設立した企業の監査委員会に入る計画であったと指摘した。また、同氏は、「これらが私たちが公開できる氷山の一角である。現在捜査が続いている」と発言した。

シートニクNABU局長は、ノヴァク容疑者は、ポーランドとウクライナの二重国籍所有者となっていると指摘した。

同局長は、「私たちの知る限り、現時点で、その主要容疑者(編集注:ノヴァク氏)は、ポーランドとウクライナの国籍を二重に所有している」と発言した。

また、フリシチュークSAP長代行は、現在ノヴァク氏には、ポーランド国内法の範囲でポーランドによる容疑が発覚していると説明し、その理由として、これらの犯罪はウクライナで始まったものだが、獲得された資金はポーランド領で受け取られたためだとコメントした。

シートニク氏は、ウクライナの汚職対策機関が準備した容疑はポーランド側に送られ、ポーランド側で作られた容疑はウクライナ側に送られていると指摘し、「私たちも現在その容疑を彼らにウクライナ領で手交する」と発言した。

これに先立ち、20日、ポーランド汚職対策局(CBA)は20日、元ポーランド交通相であり、後にウクライナの国家車道庁長官を務めたスワヴォミル・ノヴァク氏を汚職と組織犯罪活動の容疑で拘束したと発表していた