独警察、オニシチェンコ氏拘束を確認せず

独アーヘン市警察は、ウクライナにて汚職犯罪捜査の対象となっているオレクサンドル・オニシチェンコ前最高会議(国会)議員の拘束に関する情報を有していない。

4日、独DW通信が報じた

報道には、「同市警察は、そのような拘束を発表していない」と書かれている。

同報道には、前日、DWがアーヘン市警察にてオニシチェンコ氏の拘束を確認していたが、その後、拘束したのは別の人物であったことが判明したと書かれている。

更に、オニシチェンコ氏が拘束されていないことは、ドイツ国境周辺を管轄するドイツ連邦警察も認めたとのこと。連邦警察は、対ベルギーと対オランダの国境近くに位置する独アーヘン市でも活動している。

これに先立ち、ウクルインフォルムは、特別汚職対策検察(SAP)のロマン・シムキウ検察官が、オレクサンドル・オニシチェンコ前最高会議(国会)議員がウクライナ治安機関の要請により、ドイツにて拘束されたと発言したと報じていた。

シムキウ検察官は、オニシチェンコ氏はオルデンブルク市近郊にて拘束され、ドイツで収監されていると伝えていた。

なお、オニシチェンコ氏は、2016年夏にウクライナから出国し、以降、一度も帰国していない。同氏には、犯罪組織の設立の嫌疑がかけられている。国家汚職対策局(NABU)は、同組織が、2013年1月から2016年6月まで、天然ガス分野で違法に16億フリヴニャ以上を稼ぎ、その結果、ウクルハズヴドブヴァンニャ社(編集注:天然ガス採掘を行う国営ナフトガス社の子会社)に対し、7億4000万フリヴニャ以上の損失を与えたと発表している。

なお、アルテム・シートニクNABU長官は、ウクライナ領を出国し、捜査から逃れているオニシチェンコ氏は強制的にウクライナへ送還されねばならないと述べていた。同長官はまた、オニシチェンコ氏はスペインにて強制送還関係と政治難民認定の裁判で敗訴していたと伝えていた。