ウクライナ東部マレーシア航空機MH17撃墜から5年が経過

本日、7月17日にて、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部上空で撃墜された事件から5年が経過した。

この悲劇により、同航空機の乗客と乗員、計298名が死亡した。

マレーシア航空機は、ウクライナ東部の戦闘が起こっていたドネツィク州フラボヴェ村上空にて撃墜された。乗っていたのは、オランダ国民192名(うち1名が米国との二重国籍所有者)、マレーシア国民44名(うち15名が乗員、2名が乳児)、オーストラリア国民27名、インドネシア国民12名(うち1名が乳児)、英国民10名(うち1名が南アフリカ共和国との二重国籍所有者)、ドイツ国民4名、ベルギー国民4名、フィリピン国民3名、カナダ国民1名、ニュージーランド国民1名であった。

事件当初から、ウクライナは、同航空機は、ロシア製の地対空ミサイル・システム「ブーク」により撃墜、発射したのは分離主義武装集団、あるいはロシア軍軍人だとの推測を維持してきた。その後、2015年10月、オランダ安全保障会議が、MH17撃墜事件に関する最終技術報告書を発表し、航空機は「ブーク」にて発射された弾頭9N314Mにて撃墜されたとの結論を出した。同会議のティーベ・ヨウストラ議長は、オランダの報道機関へのインタビューにて、撃墜のミサイルは、親露武装集団が支配する地域から発射されたと述べていた。

その後、民間調査グループ「ベリングキャット」が、MH17を撃墜させた地対空ミサイル・システム「ブーク」がロシア軍第53対空旅団に所属するものだと特定した。ベリングキャットはさらに、ソーシャル・メディア上やその他の誰でもアクセス可能な情報源の情報をもとに独自の調査を行った結果として報告書を発表した。同報告書には、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍軍人が名前・写真付きで特定されている。この報告書は、オランダの検察に渡された。

これに続き、オーストラリア、ベルギー、マレーシア、オランダ、ウクライナの5か国からなる国際共同捜査チーム(JIT)が、「ブーク」の通過経路の大半を特定させた。JITは、「ブーク」がロシア領からウクライナ東部に運び込まれ、その後、ロシア領に戻されたとの捜査結果を発表した。この結論は、ベリングキャットの調査結果とほぼ一致している。

2017年7月5日、JITに参加する5か国は、マレーシア航空機MH17撃墜事件の刑事捜査はオランダの国内法の枠組みで継続することを決定した。2019年6月19日、JITはさらに、マレーシア航空機MH17撃墜に関与した容疑者として、ロシア国民3名、ウクライナ国民1名を発表した。加えて、JITは、本件の裁判は2020年3月9日に開始されると発表した。