マレーシア航空機撃墜事件:ロシアとプーチン大統領を提訴する被害者親族、約300名に

アメリカの弁護士ジェリー・スキナー氏は、2014年のマレーシア航空機撃墜事件に関し、新たに200名の被害者遺族がロシアと同国のプーチン大統領を相手に欧州人権裁判所に提訴したと発表した。

1月31日、ロシアの「モスクワのこだま」が報じた。

スキナー弁護士は、「ロシア連邦とプーチン大統領を相手に欧州裁判所に対して出された提訴に、2014年にウクライナ東部で撃墜されたマレーシア航空機の事件の被害者遺族として200名以上が新たに加わった。これにより、提訴をしている人物の数は合計で約300名となっている」と発表した。

同弁護士はまた、求められている補償金額は、3億3000万米ドルとなっていると伝えた。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。