国家汚職対策局、汚職容疑をさらに6名の国鉄幹部等に伝達

国家汚職対策局(NABU)捜査官は、国鉄ウクルザリズニツャ社の資金9800万フリヴニャ強を横領した容疑が同社等6名に伝達された。

17日、NABU広報室が発表した。

容疑が伝達されたのは、ウクルザリズニツャ社傘下「リスキ」代表、同技術部長、同元オデーサ課長、同オデーサ課技術部長、その他民間企業2社代表計2名であるとのこと。

容疑は、刑法典第191条5項「職権濫用による資産横領あるいは喪失」に該当すると説明された。

捜査によると、ウクルザリズニツャ社は、2016年に、アジアへの輸送路を確立させるためのいわゆる「新シルクロード」プロジェクトの実現を開始。このプロジェクトによれば、輸送路の一つは黒海を通るものであった。このため、ウクルザリズニツャ社には、貨車を運ぶことを目的に貨物船が2隻譲渡されていた。

2016年初頭に、ウクルザリズニツャ社傘下の輸送サービスセンター『リスキ』が、この貨物船のために燃料の公共調達を実施し、民間企業が落札。同企業は、2016年7月に締結された契約により、総額1億50万フリヴニャとなる674万3000トンの燃料を納品することになっていた。

この契約による調達は、2016年12月に実施。しかし、捜査官は、契約上の燃料ほどの量は必要ないことが認識されていたと指摘する。理由として、第一に、当該貨物船は、相当の修理を要する状態であること、第二に、「新シルクロード」プロジェクトは、実現可能性を失っており、そのことは調達実施者も知っていたと説明された。

そして、発表には、落札した民間企業は、300万フリヴニャ相当分のみ納品し、しかし、リスキ社からは1億50万フリヴニャの支払いを受けたと記されている。

NABUの本件捜査は、2017年8月に開始されたとのこと。ウクルザリズニツャ社と国家監査局と連携した捜査の結果、犯罪に関与した人物は、2018年8月にウクルザリズニツャ社に横領した資金を返還したと伝えられた。