スイス当局、ウクライナ大富豪・逃亡者クルチェンコの資産を凍結

スイス当局は、ウクライナ検事総局の要請を受け、ウクライナ大富豪であり逃亡者であるセルヒー・クルチェンコの資産を凍結した。

16日、検事総局広報室が発表した。

発表には、「捜査過程で、『ブロックビジネスバンク』社の元社員の一人が、犯罪組織への参加と同組織の犯罪に参加し、多額の資金を受け取っていたことが判明した。スイス当局の発表では、口座の一つに犯罪を通じて得られた資金があること、また、犯罪組織の下部企業の一つの口座がスイス国内にあることが判明した」とある。

また、現在、ウクライナ検事総局による国際司法支援の要請により、総額200万ドルのこれらの口座を凍結する処置がとられているとのこと。

検事総局は、「検事総局国際司法協力局では、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ(編集注:前ウクライナ大統領)氏と同氏が関わるセルヒー・クルチェンコ氏主導の下部組織による犯罪組織設立、また、燃料・エネルギー、銀行分野、税金分野等での重大・特別重大・その他の犯罪実施に関連する刑事捜査案件の裁判前捜査が行われている」と発表した。

これまでの報道では、大富豪・逃亡者のクルチェンコ氏は、ウクライナ国内で、とりわけ、重犯罪・特別重犯罪実施を目的とした犯罪組織の設立と活動支援の容疑の他、他社の資金の獲得、国家、銀行機構、燃料・エネルギー関連国営企業からの特別多額な資金の獲得、脱税、違法に獲得した資金の洗浄、違法活動の隠ぺいを目的とした架空企業の運営の容疑もかけられているとのこと。

クルチェンコ氏は、2014年2月からウクライナ国外に滞在し、捜査と裁判から逃れ、刑事責任を回避している。同氏は、捜索対象となっている。