ロシアに12月29日の規模のミサイル攻撃を繰り返し行う能力はない=戦争研究所

米国の戦争研究所(ISW)は、ロシアのミサイルと弾薬の在庫と製造速度では、おそらくロシアは大規模なミサイル攻撃を繰り返し行うことはできないとしつつ、他方で、自爆型無人機を使った攻撃は繰り返して行えるだろうとの見方を示した。

29日、ISWが報告書で指摘した

ISWは、ウクライナ国防省傘下情報総局のスキビツィキー副局長が11月6日に発表した、ロシアによる新しいミサイルの製造に関する統計データを示した。それによれば、ロシアは2023年10月に115弾の長射程高精度ミサイルを製造したという。具体的には、弾道ミサイル「イスカンデルM」30弾、巡航ミサイル「イスカンデルK」12弾、巡航ミサイル「カリブル」20弾、巡航ミサイル「Kh101」40弾、巡航ミサイル「Kh32」9弾、空中発射型弾道ミサイル「キンジャル」4弾だと喚起されている。スキビツィキーは、11月には、ロシア軍は高精度の作戦戦略ミサイルと戦略ミサイルを計870弾備蓄しており、8月から11月の間にこの数は285弾増加したと報告していた。

ISWは、「ウクライナの高官は最近、ロシア軍は自らの巡航ミサイルの備蓄を部分的に回復させたと述べたが、ロシアのミサイル備蓄の合計数と毎月の製造速度のに関するスキビツィキー氏の最近の発言は、ロシア軍は12がう29日の一連の攻撃に匹敵する、大規模なミサイル攻撃を繰り返して行うことは維持できないことを示している」と説明した。

同時に、ロシアは、主にタタールスタン共和国のアラブーガ経済特区に無人航空機生産拠点を設立・拡張したことによって、自爆型無人機「シャヘド136/131」の国内生産速度を以前より著しく高めることができるとも指摘されている。ロシアは、ミサイルよりも無人機でより一貫した攻撃を行うことができる可能性が高いという。

その他ISWは、12月29日の一連の攻撃は、ロシアが無人機とミサイルの様々な組み合わせを数か月間にわたって実験し、ウクライナの防空を試してきた結果だと指摘した。また、ロシアは、ウクライナの士気と継戦能力を下げる努力の一環でウクライナに対して大規模な攻撃を行い続けるだろうとある。

ISWは、そのため、ウクライナのロシアの攻撃から身を守る能力のためには西側の支援が引き続き非常に重要であり、支援の停止は、ロシアの空からの攻撃の拡大のための条件を生み出しかねないと指摘している。