ロシアの進軍が失速する中、ウクライナは戦局を変えるチャンスを得ている=米紙

ウクライナへの全面的侵略を続けるロシア軍の進軍は失速しており、同時にウクライナには戦局を自らの有利な形に変えるチャンスを得ている。

28日、米ワシントンポスト紙が軍事専門家たちの発言を紹介した

記事では、戦争研究所(ISW)のジョージ・バロス研究員による「ロシア人は、さらなる領土制圧のための能力の枯渇に近くなっており、彼らの疲弊した軍が、自らの戦闘力を刷新したウクライナの戦力と対峙している」との発言が引用されている。

また記事には、ロシア軍がすでにキーウ制圧の希望を断念しており、間もなくドンバス全体を征服する力もないことを完全に感じざるを得なくなるだろうと指摘されている。ドンバス全域の制圧は、クレムリンによって侵攻当初に発表された目的の一つであったし、それはロシアの現在の侵攻野心の主要な焦点であり続けているという。

バロス氏は、ロシアはもしかしたら、東部ドンバス地方の戦闘ラインに接する自治体をあと1つ2つは制圧できるかもしれないが、しかし、ロシア軍がそれよりさらに進めると想像するのは困難だと指摘した。

スコットランドのセント・アンドルーズ大学で戦略分析を行うフィリップス・オブライアン教授は、「どうもロシア人の進軍能力は尽きつつあるようだ」と発言し、ロシア人がドンバスのすでに制圧した領土を越えてはるか先に進むための能力は見られないと強調した。

同時に、専門家たちは、ロシア全土にて現在、大規模なリクルート活動が展開されており、クレムリンは、兵力損耗の穴埋めのために人員を心底求めていると指摘した。さらに、ロシアが核兵器やその他の大量破壊兵器を有していることも喚起されている。

他方、いずれにせよ、ウクライナ軍はすでに現時点で、高機動ロケットシステム「ハイマース」をはじめとする西側の遠距離・高精度武器の長所を利用することで、主導権を奪うチャンスを得ていると指摘されている。