スシチェンコ記者、露収容所にて政治的背景による対立はなかったと説明
ウクルインフォルム
7日にロシアから解放されたウクルインフォルム通信の記者、ロマン・スシチェンコ氏は、ロシアの収容所に拘束されていた際、収監者間での政治的背景の違いによる対立は生じず、むしろ多くの人がウクライナの文化やウクライナ語に関心を持っていたと述べた。
11日、スシチェンコ記者がウクルインフォルムにて解放後初の記者会見を行った際に発言した。
スシチェンコ氏は、「収容所では、収監者間には、宗教、民族、社会的地位に関することは触れない、という暗黙の了解があった。そのため、あり得る政治的背景の違いによる対立は、収監者自身も止めたし、運営側の介入でもすぐに止められた」と発言した。
同時に、スシチェンコ氏は、自身が拘束されていた場所でのウクライナ人に対する態度は、「十分にまともだった」と指摘した。同氏は、「多くの人が私たちの文化や言語に関心を抱いていた。数か月たつと、私たちは互いにウクライナ語であいさつをするようになった」と発言した。
本年9月7日、ウクライナとロシア連邦の間で35名対35名の被拘束者交換が行われ、その際、スシチェンコ氏は、オレフ・センツォフ映画監督、オレクサンドル・コリチェンコ活動家、パウロ・フリーブ氏、ヴォロディーミル・バールフ氏、ウクライナ海軍軍人24名らとともに解放され、ウクライナへ帰還している。
スシチェンコ氏は、2016年9月30日、同氏がパリから私的な用事でモスクワを訪れた際、国際的規範に反する形で拘束された。2016年10月7日、ロシアの裁判所により、スシチェンコ氏はスパイ容疑で逮捕された。
2018年6月4日、モスクワ市裁判所は、スシチェンコ氏に対して厳格収容所での懲役12年の有罪判決を言い渡した。同年9月12日、ロシア連邦最高裁判所は、同判決を合法だと認定した。