東部住民の中央政権への信頼が上昇するも依然低水準:国連調査
30日、国連による2018年ウクライナ東部社会団結・和解指数の調査結果発表がウクルインフォルム で行われた。
ステン・ワイツマン在ウクライナ国連調整事務所平和・発展問題担当アドバイザーは、「私たちが確認した中での最も大きな変化は、中央政権に対する信頼度でした。この値は、(最大を10とし)前回の1.6から、現在2.2まで上昇しました。指数は、0.5以上の変化であれば、全て有意です。しかしながら、概して、信頼の値は低いままです。そして、ウクライナ東部では、人々が平和を依然よりさらに求めている、という傾向が見られました。加えて、人々、特に、非政府コントロール地域(編集注:被占領地域)の人々において、異なるグループの人々を寛容に受け止める準備の指数の上昇が見られました」と説明した。
また、人が安全を感じる指数が低下したことが指摘された。ワイツマン氏は、この指数は同じ州でも住んでいる場所によって変化が大きい可能性があるとし、例えば、ドネツィク州西部の方が衝突ライン近くより安全実感の指数が高くなると指摘した。
ルハンシク州に関しては、調査によると、人々は様々なグループの人との対話に向けた心の準備の指数が大幅に上昇したことがわかった。また、同州住民は、非政府コントロール地域のことを「外国の一部」とみなす程度が低下した。その他、移民への準備の指数が高まり、ウクライナ軍への信頼指数が低下したと発表された。
ワイツマン氏は、この調査結果の総括として、ウクライナを東と西に人工的に分断するようなものは「実際に、存在しない」と述べた。その理由として、同氏は、欧州連合(EU)加盟を望む人々であっても「東をより支持する人」との対話の用意があるからだと指摘する。その他、同氏は、東部の衝突ライン近くに住む人々は、他地域の人々と比べて、団結の指数が高かったと伝えた。
今回の調査では、ドネツィク州、ルハンシク州、ザポリッジャ州、ドニプロペトロウシク州、ハルキウ州の5つの州の住民を対象に実施。調査データは、6000人を対象に対面式の質問により収集された。この調査は、住民と社会の共生としての社会の団結、人々と機構の関係を調べることを目的として実施されたもの。調査結果では、対話への準備、寛容さ、市民社会参加への積極性、暴力的傾向の低減、移民に対する傾向が示された。