2018年のクリミアでの家宅捜索92件、政治囚に対する有罪判決20件:調査結果発表
23日、市民団体「クリミア・タタール・リソース・センター」のエスケンデル・バリイェフ代表(クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」メンバー)が、キーウ(キエフ)市内での記者会見時に、同センターが過去2年間行ったクリミアにおける人権侵害の調査結果を発表した。
バリイェフ代表は、「2017年の家宅捜索件数は62件、2018年は92件であった。1.48倍増加である。家宅捜査件数が増加しており、占領者が人々に圧力をかけ続けていることを示している」と発言した。
同代表はまた、2018年の逮捕・投獄者数も増加しており、2017年は46名、2018年は65名であると述べ、「1.41倍増加している。これは、2018年に、新たに11名の政治囚が投獄されたことと関係する。そして、そのうちの8名はクリミア・タタール人である。彼ら全員が、クリミアあるいはロシア国内の拘置所に投獄されている」と報告した。
同代表は、昨年11月に拘束されたウクライナ海軍軍人24名以外に、昨年20名のクリミア出身の政治囚が有罪判決を受け拘禁刑を言い渡されたと指摘した。
これらの数字を踏まえた上で、同代表は、2018年には、占領政権による迫害の形態が変化したと説明した。2017年には、治安機関はいわゆる「ヒズブット・タフリール(イスラム解放党)」や宗教に結び付けて断罪していたが、2018年にはビジネスマンに対する大規模な家宅捜索や逮捕が相次いだという。これらビジネスマンについては、「彼らが文化・教育事業を行うクリミア・タタール人の独立組織を支援したとして、彼らは家宅捜索を受けたり、逮捕されている。このカテゴリーの最初の犠牲者は、レスリ・ヴェリリャイェフ氏とアリ・バリイェフ氏である」と説明した。
また、2018年の裁判時の権利侵害のレベルは、前年とほぼ同じ程度であったとし、2017年は515件違法な拘束期間延長や控訴棄却が行われたのに対し、2018年は492件であったと報告された。
同代表は、違法な一時拘束件数は減少したとし、2017年は286回拘束があったが、2018年は92回であったと発表された。同様に、違法な事情聴取の件数も340回(2017年)から152回(2018年)に減少したとのこと。
これについて、同代表は、「センターの専門家は、これは、2017年に2回大規模な拘束事案があったことと関係すると考えている。1回目は、市場に対する捜査が行われ、一挙に70人が拘束された。2回目は、クリミア半島全体での同時開催の運動の際にクリミア・タタール人が拘束された件である」と説明した。