キリロ・ブダーノウ・ウクライナ大統領府長官
戦争が続く限り、ロシアの製油所への攻撃停止はできない
10.04.2026 16:03
キリロ・ブダーノウ・ウクライナ大統領府長官
戦争が続く限り、ロシアの製油所への攻撃停止はできない
10.04.2026 16:03

復活祭での大規模な被拘束者交換への期待、ロシアのインフラに対する攻撃の継続、ウクライナ最高会議(国会)における政治危機の克服。このような諸問題について、ウクライナ大統領府長官であるキリロ・ブダーノウ中将が、ウクルインフォルムとノヴィーニLIVEの記者による共同インタビューの際に語った。

どうして無人機は歩兵に取って代われないのか? 中東での戦争がいかに侵略国ロシアを助けているのか? 戦争に「終止符」を打つためのゼレンシキー氏とプーチン氏の会談は可能なのだろうか?

聞き手:テチャーナ・コフティチ(ウクルインフォルム)、ハリーナ・オスタポヴェツ(ノヴィーニLIVE)

写真:ザカルパッチャ州軍行政府


米国の代表団が1、2週間以内にウクライナを訪問予定

オスタポヴェツ氏(以下「オ」):主な関心事は、当然ながら交渉プロセスに関するものです。あなたは以前、プロセスは継続しており、凍結されていないと話していました。現在はどのような段階にありますか?

ブダーノウ氏(以下「ブ」):あなたは、自分でその質問に答えています。継続しており、凍結されていません。今後も続いていきます。私たちは米国代表団の(編集注:ウクライナへの)訪問を期待しており、待っています。これについては今日、ウクライナ大統領も行事の公式部分で皆に報告しました。私たちは最良の結果を期待しています。

コフティチ氏(以下「コ」):大統領は地方・地域評議会会議において、交渉プロセスに参加している米国代表団のメンバーが、もしかしたら復活祭の後にウクライナへ来ると述べました。これはウクライナ的な時間の先送り表現です(編集注:ウクライナでよく聞かれる予定を曖昧にする表現という意味)。具体的な時期を確実に言えますか?

「ブ」:はい、復活祭から1週間前後です。遠いことではありません。

「オ」:米国側とのやりとりがあるのはわかりますが、現在ロシア側ともやりとりがありますか。

「ブ」:あります。

「オ」:どのような内容のものですか?

「ブ」:私たちが取り組んでいる課題についてです。並びに、私たちは皆、近い将来の(編集注:被拘束者の)交換を期待しています。ですから、そのことについてもです。交換は自然に起きるものではありません。実行しなければなりません。

復活祭での交換を期待

「コ」:復活祭は、ロシアで拘束されているウクライナ人捕虜の交換に関する良いニュースをウクライナ人が期待する時期でもあります。私たちは交換が事前に公表されることは決してないことは知っていますが、この祝日に良い知らせを期待しても良いでしょうか?

「ブ」:私たちは期待しています。その日の前後になるかもしれませんが、期待はできます。私たち皆が期待しています。

「コ」:ブダーノウさんは交渉グループのメンバーですが、三者フォーマット(編集注:ウクライナ、米国、ロシアの和平交渉フォーマット)での交渉が再開される可能性はあると思いますか。

「ブ」:はい。

「コ」:そのチャンスはどれほど大きいものでしょうか?

「ブ」:(編集注:首脳の)直接会談なしには、ポジティブなものであれネガティブなものであれ終止符を打つことはできないことは、わかっているでしょう。ロシア側もそれを理解しています。信じてください、それは必ず生じます。

「コ」:ゼレンシキー氏とプーチン氏の会談のことですか?

「ブ」:リーダーたちが最終的な終止符を打たなければなりません。そうなることを期待しましょう。

ロシア側は私たちの長射程攻撃に不平を言うことはできない

「オ」:私たちの長射程攻撃は毎日のことであり、私たちはロシアのインフラに対して毎日攻撃を行っています。それが交渉プロセスの力学にどのような影響を与えていますか? ロシア側は、私たちの攻撃が多すぎて平和条約に署名できない、といったような不平を述べていますか?

「ブ」:いいえ、不平は述べてません。彼らはそんなことは言いません。なぜなら、それは自らの弱さを認めることを意味するからです。しかし、影響はあります。彼らの報告書には常にそのことが記されています。それは問題なのです。彼らの攻撃が私たちにとって問題であるのと同様です。

「コ」:別の交渉についての質問です。私たち皆が待ち望んでいる、現在妨害されている900億ユーロの融資に関してで、それにも交渉が必要です。その交渉は現在どのような段階にありますか?

「ブ」:それはハンガリーだけでなく、多くの参加者との交渉議題であることは、あなたも理解しているでしょう。その件に関して私があなたに言えるのはそれだけで、プロセスは継続しています。非常に困難で最大限に複雑な問題ですが、私は解決策を見つけられると思っています。もしかしたら、簡単ではないかもしれませんが、見つけるでしょう。

「コ」:その「簡単ではない解決策」がどのような方向に向かう可能性があるか、少し明かせますか?

「ブ」:交渉プロセスが進行中である内は無理です。それは交渉決裂の前提条件を作ることになります。

「コ」:わかりました。その交渉プロセス、そして資金拠出を妨害している隣国(編集注:ハンガリー)についてですが、彼らに対抗する手段はありますか? 現在、誰がより影響力を行使すべきでしょうか? 欧州のパートナーたちでしょうか、それとも私たち自身でしょうか?

「ブ」:私の主観的な意見を言うならば、私たちの問題は何よりもまず私たちの問題です。そのため、もし私たちがそれに取り組まないとした場合、誰かが代わりにやってくれるという感覚は私はほとんど持っていません。

中東での戦争はロシアにとって「プラス」に働いた

「オ」:中東での戦争は、ロシアが私たちとの戦争を継続する能力にどのように影響を与えましたか?

「ブ」:ある程度、彼らにとって「プラス」に働きました。あなた方も理解しているでしょうが、何よりも石油製品価格の急騰によるものです。彼らのある種の、法的主体とでも名付けるとして、それらが制裁から外れたことも、彼らに楽観的な見方を加えました。そして、(編集注:石油)価格の急騰は彼らにとって巨大なプラスです。私たちが彼らの製油所に行っている攻撃は、残念ながら、発生した価格高騰には及びません。しかし、それら(編集注:攻撃)は、確実にロシアの石油分野、石油ガス分野に確実に影響を与えています。

「オ」:私たちがそれを止めることはないと…。

「ブ」:戦争が続く限り、私たちは攻撃を止めるわけにはいきません。

無人機が人の代わりに戦争を遂行してくれるという考えは好まない

「オ」:ロシアは毎月、人員に大きな損失を出しており、その数は3万から3万5000人に近づいています。私たちの戦略的目標は5万人ですが、現在そこからどの程度離れていますか?

「ブ」:あなたが自分で数字を挙げたではないですか。

「オ」:その目標のために何が必要でしょうか? より多くの無人機ですか?

「ブ」:私は、多分、無人機が私たちの代わりにこの戦争を遂行してくれるという考えの熱狂的ファンではありません。残念ながら、人間なしに戦争に勝つことはありません。人間がいなければ戦争に負ける、それはあります。しかし、人間なしで勝つということはありません。

「コ」:人間と戦争についてですが、昨日ザカルパッチャ州でウクライナ軍人が暴行を受けたというニュースを皆が読みました。その1、2日前には他の地域でも同様のニュースを見かけました。1、2週間前にも…。戦争を耐え抜くために団結が必要な国にとって、これはかなり悪い傾向でしょう。あなたは、どう評価していますか?

「ブ」:私は、だからこそ、今日の会合(編集注:このインタビュー前にブダーノウ氏はザカルパッチャ州の聖職者たちと会談していた)で団結について話したのです。そのことに関して言えば、第一に人間の愚かさには際限がなく、決してなくなることはない、ということです。第二に、私たちの社会には精神面に実際的な問題があります。なぜなら、一方では、皆が『勝利まで戦うべきだ』と言いながら、他方では、皆が動員から逃げているわけですから。それらが同時に起きている。それは大きな、巨大な問題です! 同時に、誰かが動員を回避する時、最前線にいる私たちの若者たちも誰かと交代してあげなければならないのです。その全くもって人間的な問題のことは、忘れるべきではありません。最前線にいる彼らはそれを絶対に理解しません。そして、戦争が終わり、彼らが帰還して、どこにも行かなかった隣人に直接質問し始めた時、それはさらなる巨大な問題になるでしょう。そういうことを起こさないためには、皆が市民としての立場を表明し、義務を果たすことを恐れないようにしなければならないのです。率直に話しましょう。動員された者全員が襲撃に行くわけではありません。防空部隊や他の専門職、倉庫などに行く者もいます…。

「コ」:総じて、行くべきところはある。

「ブ」:ええ、そこには、言うなれば、「機動の余地」はあります。しかし、単に回避する者となって、後に恥を感じながら生きて、戦争から戻ってきて「お前はどこにいたんだ?」と聞いてくる隣人に何を言うか悩む。公式に何を言うか。うーん、私たちの人々はそういうことはあまり怖がりませんか。しかし、自分の子供たちに、戻ってきた隣人に、「あなたは、何者なんだ?」と言われた時に何と言うつもりでしょう。

私はウクライナ人の団結を3回見た

「コ」:全面戦争1年目は、私たちの団結は非常に強固でした。5年目の今、どこで団結を探すと良いでしょうか。

「ブ」:私たち自身の中です。今の交渉プロセスで何かしらに達するでしょう。もう一度言いますが、それは私たちにとって非常に良いものか、あるいは非常に悪いものかのどちらかになりますが、それは重要ではありません。たとえ私たちにとって非常に良い選択肢であったとしても、団結がなければいかなる決定も実現できません。

私が個人的に分析したところ、(編集注:ウクライナで)私はそのような真剣な団結を3回見ました。1回目はソ連が崩壊した1991年です。ウクライナには団結がありました。それは甚大な挑戦でしたが、団結はありました。そしてそれによって決定を下すことができたのです。

「コ」:2回目は? マイダンですか?

「ブ」:2回目は2014年です。マイダンとマイダン後の出来事、戦争の始まり、クリミア、ドンバスでの出来事です。当時、軍事委員会(編集注:徴兵施設)に行列ができていたのを覚えていますか? そして3回目は2022年の初めで、それも同様でした。当初は、志願者の数が軍が受け入れられる能力をはるかに上回っていたため、動員の問題はありませんでした。

「コ」:しかし、すでにほぼ5年が経過し、それは下降するばかりです。

「ブ」:私たちは今、再び私たちに団結を要求するような、トリガーとなるような出来事に近づいています。残念ながら、もしその団結が生じなければ、破滅が起こるかもしれません。過去に、トリガーとなる出来事が生じても団結が生じなかった場面は多くあります。そして、それは巨大な問題を引き起こしました。例は挙げません。非常に悲しく不快なものになりますから。私たちの最近の歴史を分析すれば、すぐに全ての答えが見つかるでしょう。

ウクライナ社会には、戦う英雄と徴兵施設から逃げる英雄が同時に存在する

「オ」:「困難な決定」とは、和平に向けた合意のことでしょうか? 領土やその他のことにおそらく関係するのでしょうね?

「ブ」:何にでも関わり得ますが、その質問にはコメントしません。しかし想像してみてください。たとえ非常に良い合意がなされたとしても、「全て終わりだ」と言う人々が多数現れるでしょう。それは間違っています。そうなったらどうしたら良いのか? 政治指導部へのさらなる圧力を生み出し、その結果、私たちは何を得るでしょうか? どんな決定も採択できなくなるのです。良い決定であろうと、悪い決定であろうとです。そうなったら、私たちはどこへ行き着くのでしょうか?

不快な末路です。なぜなら、チャンスは無期限ではないからです。

見てください、私たちの社会には恐ろしい問題があります。一方で、実際に前線で血を流して戦っている英雄がいます。棺が運ばれるのを見ると、皆が膝をつきます。しかし、同時に、「いかに領土採用センター(編集注:徴兵機関)を罵倒したか」や「いかに国境の森林地帯を越えて逃げたか、残っているお前たちは愚か者だ」と話す動画を投稿する者も英雄とみなされる。この両方が同時に英雄なのです! これは恐ろしい問題であり、団結の欠如を示しています。

「コ」:どうすれば良いのですか?

「ブ」:私はこれに取り組んでいますし、多くの人が取り組んでいます。今は、人によっては一方の側に立ち、他の人は別の側に立つ、というのを受け入れる余裕のある時ではありません。現在は大統領がおり、その垂直構造が維持され、支えられなければなりません。

その後で、次に何をすべきかを把握するのです。しかし、動乱の時代には、私たちは皆、団結しなければなりません。

「コ」:垂直構造についてですが、(編集注:ブダーノウ氏の大統領長官職への)就任からほぼ3か月が経ちました。あなたはこの期間をどう評価していますか? ご自身の側からその垂直構造を強化できていますか?

「ブ」:ユーモアを交えて答えましょう。数日前、世論調査(編集注:信頼度調査)を見ました。(編集注:以前は信頼度ランキングにおいて)大統領府は常に下から2番目で、一番下は最高会議(議会)でした、いつもです。今は、私たち(編集注:大統領府)は下から4番目です。つまり、何か良いことをしたのでしょう(笑う)。最高会議は相変わらず最下位ですが。

もしかしたら、私の個人的な評価も影響しているのかもしれません。しかし、私たちの社会の問題を忘れないでください。好む者もいれば憎む者もいる。私はそれについては全く冷静です。それは普通のことです。しかし、機関は冷静に活動しています。見てください。スキャンダルはないですし、問題もなく、会議が行われ、決定が下されています。

「オ」:議会の危機もようやくほぼ解決されましたね。

「ブ」:2週間前、私は、「危機」はなく、あるのは「問題」だと言いました。「私たちはそれを克服する」と言いましたね。私は嘘をつきましたか? いいえ。私たちに必要な解決策が生じました。色々見ることはできるし、例えば、国際的なパートナーたちがもっと多くを望んでいたとしても、国益というものがあります。私たちは必要なことを行いました。これによって、国家の機能に必要な資金を得ることが可能になります。予算プログラムの削減を避けるためです。

「オ」:どうやってそれを成し遂げたのですか。

「ブ」:申し訳ないですが、それには答えられません。舞台裏に残しておくべきこともあります。私は人生で非常に多くの人々を相手にしてきましたが、信じてください、私たちの議員たちは、私がこれまで様々な交渉を行ってきた相手に比べれば、天使のような人々です。

議会との対話は構造的に継続される

「コ」:大統領府と議会の協力関係を現在どう評価されていますか? あなたは問題は克服されたとおっしゃいましたが、もし何かしらのニュアンスでも補足があれば。そして、現在はどのレベルで対話が行われているのでしょうか?

「ブ」:この対話が構造的に継続されることを期待しています。先の大型会合で次の開催につき合意しましたし、近く行われるはずです。

「コ」:定期的な会合になるのでしょうか。

「ブ」:そうなることを願っています。構造的アプローチが必要です。私は構造的アプローチを信じています。その場しのぎの対応は何でもできますが、それは1回きりです。1回きりでは助けになりません。団結が必要です。また団結の話に戻っていますね。

「コ」:最高会議から団結ですかね?

「ブ」:団結は国民から始まり、最高会議、大統領府、大統領、各省庁、内閣などまで続くものです。これら全てが調和していなければなりません。戦士、防衛者が英雄であるのと同時に、動員逃れの者も英雄であるという状況が続くなら、私たちはほとんど進めないでしょう。

「コ」:社会の中に、戦う者とティサ川を泳いで渡る者が同時に英雄であるという「矛盾」がある中で、その社会は、どのようにして団結を追及し、達成すべきなのか、ブダーノウさんの経験からアドバイスをお願いします。

「ブ」:非常に簡単です。成熟してください。世界を横から見てみてください。全員が動員逃れをしたらどうなるでしょうか? ウクライナは世界の政治地図に残るでしょうか? いいえ、残らないのです。

そのような考えさえ浮かばないように言います。(編集注:その場合ウクライナは)残りません。ウクライナは消滅し、名前すらなくなります。誰もここに暮らさなくなります。何とかなるだろう、他の人がやるだろう、どうにか解決されるだろう、などと考えるのは意味がありません。否、解決しません。絶対に解決しない。全てを奪われるのです。

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