「『旧ソ連』という概念の使用は止めるべき」 クレーバ外相、米外政専門誌に寄稿
ウクルインフォルム
ドミトロー・クレーバ・ウクライナ外相は、西側の国々は、ウクライナを「旧ソ連空間の一部」とみなすことを止め、同国の北大西洋条約機構(NATO)とEUへの加盟の明確なロードマップを定めるべきだと主張している。
クレーバ外相が米外政専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に「ウクライナは西側の一部」と題する記事を寄稿した。
クレーバ氏は、1991年12月のソ連崩壊の瞬間から、中欧から中央アジアにかけての地域を「旧ソ連」と呼ぶことが受け入れられてきたことを指摘しつつ、その「旧ソ連」との名称が常に問題をはらんできたことに注意を向けた。その上で、同氏は、30年が経過した今、同概念は相当程度に異なる、ウクライナを含む国々を政治的、社会的、経済的にある程度一体のものであるかのように誤解させているのだとし、その名称の使用を止める時が来ていると主張した。
同氏は、1991年以降の短期間は、共通の歴史がソ連の跡地に現れた国々をまとめていたが、10年も経過するとそれらの国々は著しく異なる方向へ進み、共通の経験の重要性は失われていったと指摘した。
その上で同氏は、「西側の国々がこの地域を単に『旧ソ連』と見ることを止める時が来ている。しかし、この地政学的な建造物が古めかしいものとなっているとして、その代わりにどのような見方をすべきであろうか。新たな現実に応えるためには、米国やその同盟国は、自国の政策において何を変えるべきであろうか。ウクライナの事例においては、何よりもまず、西側世界において、我々の国の場所を機構化することとなる。米国と欧州同盟国は、ウクライナのNATOとEU加盟の明確なロードマップをいよいよ定める時が来ているのだ」と強調した。
なお6月14日、ブリュッセルにて開催されたNATO首脳会談では、加盟国首脳たちが2008年NATOブカレスト首脳会談の決定である、ウクライナとジョージアが将来NATO加盟国になるという決定を確認している。