ウクライナのオンライン報道の偽情報が3年間で3倍に増加=報道分析

ウクライナのオンライン報道の偽情報が3年間で3倍に増加=報道分析

ウクルインフォルム
報道分析を行う市民団体「マス情報研究所」は、ウクライナにおける2020年のオンライン報道において、偽情報の数が3年前の3倍に増えていると報告した。

20日、同団体のオクサーナ・ロマニューク氏が会議「2020年の安全なオンライン 現代の挑戦」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ロマニューク氏は、「私たちは、オンライン・メディアのコンテンツを分析しており、地域レベルの偽情報・フェイクの分析も始めた。現時点での基本的な問題は3つのレベルに分けることができる。1つ目は、侵略国(編集注:ロシア連邦)からの偽情報キャンペーンである。それは、現在かつていないほど集中的に行われている。2018年時点の私たちのデータと比べると、Textyと共同で行っている分析の結果、偽情報の数は約3倍に増えていることがわかっている。2つ目は、記者の質である。大変驚いたのだが、フェイクの20%近くは、記者が数字を読めていないこと、公共調達について表現できていないこと、『プロゾッロ』(編集注:電子公共調達システムの名)のサイトからデータを引っ張ってきて公開することすらできていないことから来ている」と発言した。

同氏は、3つ目の問題は、記者にも視聴者にも批判的思考が欠けていることだと指摘した。同氏は、その結果、ポピュリズム的な偽情報、投票先を示す占星術者や、新型コロナウイルス感染状況に関する誤った解釈のようなものが広範に広まっていると説明した。

これにつき同氏は、「私は、批判的思考は安全保障と結びつけて考えている。現在、恐怖が偽情報の門を開いてしまっている。コロナウイルスへの恐怖が、私たちを脆弱にしている。人々は、ロシアによるロシアのワクチンに関する情報を信じ始めているのだ」と述べた。同氏は、ロシアのワクチンにつき、そもそもロシア国内で製造されているワクチンの数では、2021年中に1億5000万人のロシア国民のワクチン摂取を終えるのも難しいのだが、そのことを人々は考えられていないと指摘した。

同氏は、「現状を少し考えることで、情報が人々の安全を促すのである」と発言した。

さらに同氏は、昨年を通じて、人々がソーシャルメディア間を移動しているのが一つの現象として見られると指摘した。同氏は、「ニュースというものは、非常に多くの否定的情報をもたらす。最高の品質のメディアであっても、50%以上のニュースは否定的な内容だ。人々は疲れ、そして安全を欲す。無意識にコロナウイルスからの安全を求め、心地の良いバイバー(編集注:メッセージアプリ)へと移動する。そして、移動先で簡単にだまされてしまうのだ」と発言した。

その上で同氏は、どんなに報道の中に否定的な情報があっても、批判的思考こそが人々を最も守るものであり、現在のような挑戦の時代にはとりわけそれが重要であると主張した。


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