
ウクライナ外務省、ロシアによるクリミアでの違法徴兵に抗議
1日、外務省が声明を発表した。
外務省は、戦時における文民の保護に関するジュネーヴ条約(第四条約)(1949年8月12日署名)により、占領国が(占領地の)人物を自国軍へ強制的に従軍させることや、自発的に従軍させるために圧力をかけたり、プロパガンダを展開することは禁止されていることを喚起した。
声明には、「ロシア連邦は、保護されている住民をロシア連邦軍に徴兵し、従軍を拒否する人物に対して刑罰手続きをもって迫害し、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が急速に拡散する中で、未成年を含む全年齢の住民を参加させる大規模な軍事プロパガンダ行事を開催することで、国際法規範に違反している」と指摘されている。
外務省は、クリミアの占領が開始してから、ロシア連邦がこれまでに11回の徴兵を行い、約2万5000人が違法にロシア軍に徴兵されたと喚起した。
その上で外務省は、ロシア連邦に対して、「そのような違法行為を止め、占領国の義務を一貫して遵守しなければならない」と要請した。
また外務省は、国際社会に対して、被占領地における国際人道法の違反と人権侵害に対して然るべき対応をとるよう要請した。
なお、ロシアは2014年2月20日からクリミアの占拠を始めることで、ウクライナに対する軍事侵攻を開始した。ロシアは、同年3月16日、占領下のクリミアにおいていわゆる「住民投票」なるものでクリミアの地位を「定め」と主張し、その2日後の3月18日にモスクワのクレムリンにてクリミアをロシア連邦に「編入」するいわゆる「合意文書」への署名を行った。
これに対し、大半の国連加盟国は、クリミアにて占領者が捏造した「住民投票」は違法であるとみなしており、国連総会決議を通じて、ロシアはウクライナ領クリミアにおける占領国と定められている。