東部情勢で重要なのは露軍撤退と「共和国」解体、現在の変化は小さい=元米特別代表
ウクルインフォルム
米国務省にてウクライナ問題を担当していたカート・ヴォルカー元特別代表は、ドンバス情勢においては原則的な変化は起きていないとの見方を示した。
ヴォルカー氏が、欧州プラウダ通信への特別代表辞任後初となるインタビューの際に発言した。
記者がドンバス情勢にて何らかの成功が起きていると思うかとの問いに対して、同氏は、「多くないが、多少はある。それは、スタニツャ・ルハンシカの橋の改修であり、水の安定供給であり、これらには一定の前進がある。複数地点の重火器撤収と、人道的アクセスのささやかな改善、そして、言うまでもなく、被拘束者交換だ」と発言した。
その上で、同氏は、「これは全て、小さな前進である」と強調した。
ヴォルカー氏は、ドンバスにおいて原則的な変化は起きていないとし、原則的な変化となり得るステップとは、ロシア軍の撤退、あるいは、いわゆる「人民共和国」の解体だと指摘した。
なお、カート・ヴォルカー氏は、同氏は、2017年7月に米国務省にてウクライナ問題特別代表職に就き、以降、ロシア大統領府側でウクライナ問題を担当していたウラジスラフ・スルコフ(当時)大統領補佐官との対話チャンネルを築いていた人物。しかし、2019年、ドナルド・トランプ米大統領の弾劾プロセスに関して、米議会にて証言を提供することに同意し、その際、利益相反行為を回避するべく、ウクライナ問題担当職を辞任している。