ノルマンディの首脳たちは、ゼレンシキー氏はごまかせないと理解した=米研究者
モティル教授がウクルインフォルムの特派員にコメントした。
モティル教授は、「それはウクライナの小さな勝利である。多くの人が、敗北を予言していたし、プーチンはおろか、ドイツやフランスまでがウクライナに圧力をかけて、ゼレンシキー大統領が何らかの受け入れられない妥協を強いられると予想していた。実際には、そのようなことは何もなかった」と発言した。
また、同教授は、ドンバス地方の地方選挙が近い将来実施される可能性は小さいとし、その理由として、プーチン露大統領とゼレンシキー大統領が選挙問題につき根本的に異なる立場をとっているからだと説明した。教授は、ウクライナは、まず国境コントロール、それから選挙実施、という立場であるのに対して、ロシアは正反対の立場だと指摘した。
教授は、「私たちは、新しい通過検問地点の開設や、『全員対全員』原則での人質交換、停戦のことを聞いた。それらは全て、ウクライナにとって有利なものである」と発言した。
同教授は、最も重要なことは、西側諸国が、ウクライナとロシアのアプローチと立場が異なることを確信したことにあると述べた。教授は、「一方ではマクロンとメルケルが、そして他方ではプーチンが、ゼレンシキーをごまかすことはできないことを理解したのだ。彼は何らかの青年などではなく、国家の大統領なのだ。彼は、大統領らしく振舞っていた」と説明した。
教授はまた、今回の会合について何らかの否定的要素を話す者がいたとしても、それは「希望的観測」でしかないと述べ、実際には、「裏切り」なるものは全くなく、越えてはならない「レッドライン」も維持されたと強調した。
同教授は、欧米の科す対露制裁の解除については、「それはまだはるかに遠い。ただ、おそらく、プーチン氏はこの会談を制裁圧力緩和の根拠に使っていくだろうが」とコメントした。同時に教授は、フランスの対ロシアの立場がいくらか軟化する可能性は排除しないとも述べた。加えて、教授は、「ドイツに関しては、彼らは引き続き、過去5年間示してきた立場を維持していくであろう。しかし、(制裁の)緩和の話は、彼らの側から出ることは、ないと思う」と発言した。
なお、12月9日、パリにて、ノルマンディ4国(独仏宇露)の首脳会談が約3年ぶりに開催された。その際、4首脳は、成果文書を採択している。