文化省、被占領下クリミアの文化遺産破壊を沈黙しないよう呼びかけ

文化省、被占領下クリミアの文化遺産破壊を沈黙しないよう呼びかけ

ウクルインフォルム
被占領下クリミアの文化遺産破壊は、ウクライナにとって非常に痛みを覚えるテーマであり、常に声を上げ続けるべきものである。破壊の事実につき沈黙することは、占領者を助けることに繋がる。

10日、文化・若者・スポーツ省のクリミア・ドンバス情報再統合課のヴィクトル・リトヴィノウ課長がウクルインフォルム通信で開催されたラウンドテーブルにて発言した。

リトヴィノウ氏は、「このテーマは非常に重要だ。ウクライナにとってだけでなく、世界全体にとって重要だ」とし、ケルチ~セヴァストーポリ間幹線建設時に破壊された考古学的遺産物の地図がオンラインで閲覧できるようになったことを伝えた。同氏は、「このテーマは痛みを覚えるものであるが、しかし、このテーマは常に伝え続けなければならない。なぜなら、私たちが、占領者がクリミアで行っていることにつき黙ってしまった途端に、私たちは占領者を支援することになってしまうからだ」と指摘した。

同氏は、ケルチ~セヴァストーポリ幹線建設時に破壊された考古学的遺産の他、ロシアが占領するクリミアにて、バフチサライ市に位置するクリミア・ハン国自体の建築「ハンの宮殿」が乱暴に破壊され続けていることを喚起し、「その行為を、修理だの修復だの呼ぶことは、根本的に無理である」と説明した。

同氏は、「クリミア・タタール民族の歴史遺産が非常に多く破壊されている。その際、私たちは、大半の場合、意図的な破壊であること確認している」と指摘した。

なお、本年1月17日、タマーラ・マズール文化次官(当時)は、ウクライナは、被占領下クリミアのバフチサライ市にあるクリミア・ハン時代の「ハンの宮殿」を保護するために、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産リストと同時に危機遺産リストへの登録申請に必要な作業をしていると発表していた

これまでの報道では、クリミアにおけるロシア占領政権が、バフチサライ市の「ハンの宮殿」の改修を開始し、その際に、宮殿施設の一つであるモスクの屋根の瓦(かわら)を詳細な分析なく変更したり、宮殿の外装や内装を変更したりし、宮殿の保存状態を害していることが判明している。また、宮殿の主要施設の周辺に、鉄骨建築物が建てられており、これにより地盤沈下の恐れが生じていることが指摘されている。さらに、墓石や宮殿の壁に刻まれた文字などが保護されていない他、木造部分をコンクリートに代える作業も確認されている。

バフチサライの「ハンの宮殿」とは、世界で唯一、クリミア・タタール式宮殿建築物として残っているものである。ロシアによるクリミア占領の前に、同宮殿は、ユネスコの暫定文化遺産リストに加えられ、保護対象となっていた。


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