国際司法裁判所公聴会3日目:露、ウクライナの合意不履行を主張 武装集団を擁護

国際司法裁判所公聴会3日目:露、ウクライナの合意不履行を主張 武装集団を擁護

ウクルインフォルム
6日、ハーグの国際司法裁判所(ICJ)でウクライナ対ロシアのの3日目の公聴会が開かれ、ロシア側代表者による再主張が行われた。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

同日の公聴会では、ロシア代表団から、英国の法律専門家であるサミュエル・ワードワース氏が、ウクライナがミンスク諸合意に違反していると発言した。

ワードワース氏は、「ウクライナは、ミンスク諸合意を履行していない。ミンスク諸合意後のウクライナの行動は、約束に反している。『DPR』と『LPR』は、承認されてこそいないが、プロセスの一端を担うものである」と発言した。

また、同様にロシア側を代表する、ポツダム大学の国際法専門のアンドレアス・ツィンメルマン教授は、テロ資金供与防止条約(ICSFT)にのっとって、テロリズムへの資金供与の明確な認定と誰が供与しているかを定めるべきであると主張した。ツィンメルマン教授は、「国々は、同条約の条項が国家の高官を対象に含めるには合意しなかった。ウクライナは、条約の条項の意味を拡大しようとしている。広範な解釈は、認められない」と発言した。

また、同日の公聴会の後、ウクライナ代表団を率いるオレーナ・ゼルカーリ外務次官は、本日のロシアの発表に対するコメントをウクルインフォルムの特派員に伝えた。

ゼルカーリ次官は、「彼ら(ロシア側代表者)は、(公聴会初日の)3日に発言したことを少しだけ変えつつ、実質的に繰り返しただけである。彼らは、本件は『人工的係争だ』とか、私たちが参照している二つの条約につき、これら条約を用いる根拠は一切ないだとか、ウクライナ側は裁判をロシアに対する政治的圧力の道具に利用しているだとか、2014年にウクライナで起きたことは『クーデター』以外の何物でもないだとか、私たちが行っていることは全てロシアに対する司法戦争の試みだなどと、繰り返していた」と指摘した

更に同次官は、本日、ICJにおいて、ロシアの代表者たちが、マレーシア航空機MH17の悲劇について多く話していたと指摘し、とりわけ、彼らは、武装集団側には、あたかも、同航空機撃墜の意図はなかった、武装集団戦闘員は「ウクライナ軍の航空機から身を守るために」武装していたのだ等と主張していたと伝えた。

ゼルカーリ次官は、「私たちは、MH17撃墜に関して、多くの興味深いことを聞いた。彼らは、みじめな『DPR』と『LPR』は誰にも認められておらず、テロ組織とみなされていると主張していたし、他には、ウクライナの攻撃もテロ行為に該当するといった主張もあった。明日、あなた方は、これら全てに対する私たちの返答を聞くことになる。そして、私は、私たち(ウクライナとロシア)の間に係争があること、ICJに本件を扱う管轄権があることが、明白となるに違いないと思っている。そして、私たちは、ICJが、私たちの全ての案件を審議し始めることを期待している」と強調した。

これまでの報道にあるように、6月3日、国際司法裁判所(ICJ)にて、テロ資金供与防止条約と人種差別撤廃条約に関するウクライナ対ロシアの公聴会が始まっている。今回の公聴会は、6月3日から7日まで続く。

本件(ウクライナ対ロシア)は、2017年1月16日にウクライナ側がICJに提出したもの。

提出されたウクライナからロシアに対する断罪内容は、ロシアによる違法武装集団への武器等供与、マレーシア航空機MH17の撃墜、マリウポリ・クラマトルシク民間人居住地区への砲撃、ヴォルノヴァハ近郊での民間バス破壊、ハルキウ市平和集会時の爆発、ウクライナ人・クリミア・タタール人コミュニティに対する差別、クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の活動禁止、一連の失踪・殺人・家宅捜索・拘束、ウクライナ語・クリミア・タタール語の教育機会の制限となっている。

なお、これまで、2017年3月6日に、ICJで本件に関する最初の公聴会が行われており、それを受けて同年4月19日、ICJは暫定措置の決定を言い渡している。ICJは、この決定にて、ロシアに対して、メジュリスの活動を再開させること、クリミアにウクライナ語での教育を保障することを命令している。


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